ウエスタンの受賞者はリーグ最多タイの6勝を挙げて一軍でもプロ初勝利も手にしたオリックスのドラ1左腕だ。一、二軍で経験を得た新人年を経て、勝利への思いはさらに増している。2年目の課題は心の部分。2021年は“勇気”とも表現する投球の幅を広げて進化を期す。 取材・構成=鶴田成秀 写真=桜井ひとし、BBM 【2020年の投球成績】 一軍=3試合登板1勝1敗0H0S、防御率3.94 二軍=13試合登板6勝2敗0S、防御率2.72 キャッチボールから徹底
大きな希望(ビッグホープ)を抱かせるのは、あくなき向上心を持つからこそ。高卒1年目から自らと向き合い、成長を示した左腕。経験から得た課題を克服し、そして力に変えていく──。そんな心意気は、自主トレでのキャッチボールに表れる。 ──ドラフト1位で入団し、期待を寄せられた中での2020年でした。
宮城 1位と言っても自分は“外れ外れ”。正直、3位くらいの気持ちでいたんです。でも当然、一軍で活躍するという思いはあったので“濃い時間”を過ごせたと思っています。
──充実の1年だった、と。
宮城 はい。試合での結果以前に、高校と違って野球に専念できたことが一番。それもピッチャーだけに。高校時代は、打撃練習もあったりするので。プロでは練習の時間をすべてピッチャーに費やせたので、ホントに濃い時間でした。
──ウエスタンではリーグ最多の6勝。一軍でもプロ初勝利と結果も伴ったことで充実感も増したのでは。
宮城 結果は、出来過ぎだと思っています。まさかファームで最多勝を獲れるとは……。一軍で投げたい思いは持っていましたけど、実際に投げられるとは思っていなかったですし。3試合も投げさせていただけたのは、想像以上でした。
── 一軍登板はファームで勝利を重ね、実力でつかんだものだと思いますが、勝てた要因を自己分析すると。
宮城 最後のほうは、納得のいくボールを投げられたことが良かったと思います。真っすぐで空振りだったり、見逃しでストライクが取れるボールが投げられたので、たとえ打者有利のカウントであっても、ファウルが取れた。あとは・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン