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スペシャルインタビュー 2021、残留を決めた男

ロッテ・唐川侑己インタビュー(インタビュアー=田中大貴) 地元・千葉への恩返し 「ロッテでプレーをすることを決断した理由は、やっぱり地元であることが一番です」

 

2020年シーズン中に海外FA権を取得し、移籍もウワサされたが、権利を行使せずに地元チームへの残留を決めた。千葉県は成田市で育ち、21年はロッテ一筋14年目のシーズンを迎えることとなる。その決断の背景と、次なるステップに迫った。
インタビュアー=田中大貴 構成=坂本匠、鶴田成秀 写真=田中慎一郎、BBM


背負っていく。広く


 ロッテの唐川侑己にFA権行使の可能性が報じられた際には、驚いたファンも多かったのではないか。地元・成田高出身で、ロッテ一筋13年の“ホームグロウン”選手。残留の決断はFA申請期限の4日前だった。ロッテ戦中継の実況を行うことも多い田中大貴氏が、右腕の決断の真意を聞いた。

──まずは「ロッテ残留、おめでとうございます」でいいですよね。率直に、どんな心境だったのですか。

唐川 FAって、意外と考えさせられる制度だなと思いました。まさか、こんなに考えさせられるとは思っていなかったというか。

──具体的にはどのようなことを。

唐川 これからの自分の野球人生とか、それ以外のことも含めた人生ですね。あと、若いころから試合で使ってくれたからこそのFA権であるということ。最初に一軍で使ってくれたのはボビー(・バレンタイン監督)なんですが、そういう方への感謝の気持ちもあります。今こうして振り返ってみると、良い機会と言えば、良い機会だったのかなと思います。

──最終的に、FA権を行使しないでロッテ残留を決めたわけですが、いつぐらいから考え始めたのですか。

唐川 2019年時点で、順調ならば20年中に(海外)FA権を所得できることは分かっていたので、代理人の方と契約はしていたんですけど。ただ、具体的に考え始めたのはクライマックスシリーズ(対ソフトバンク)に負けて、チームの全日程が終了してからです。(期限があるので)「あ、考えなきゃ」って。FAの権利を行使するか、しないか、書類が手元に届くんですけど、後はそれにサインするのか、しないのか。

──代理人と契約したという情報は耳に入っていたので、権利の行使に向けて周到に準備を進めているのかなと思っていました。新しいチャンスがあれば、他球団への移籍なども選択肢にはあったのでしょうか。

唐川 代理人の方と契約はしたんですが、本当にシーズンが終わるまでは移籍も、残留もどちらとも考えていなくて、フラットな感じでした。

──先ほど「まさかこんなに考えさせられるとは思わなかった」という発言がありましたが、その理由は何でしょうか。そして、地元のチームへ残留を決めたわけですが、そこに至ったワケも教えてください。

唐川 年齢も31歳になりましたし・・・

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