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[Close up]指揮官の標榜インタビュー

ロッテ・井口資仁監督インタビュー 明日を変える 「攻撃だけではない。守りでも“1点”を意識していく」

 

執念から成る粘りを結束させ、本物の強さへ──。優勝争いを演じてパ・リーグ2位と躍進した昨季だが、その中で身に付けるべき力を痛感した。今季で就任4年目を迎えた指揮官が、チームの明日を変えるべく、確かな意識をナインに根付かせる。
取材・構成=鶴田成秀 写真=高塩隆


浸透させていく“1点”の重み


 2018年の監督就任から5→4→2位と着実に順位アップ。「ようやく優勝が見えてきた」と指揮官はチームの成長を実感する。残す順位は1つだけ。頂点に立つために“1点”に対する執念を根付かせ、就任4年目のシーズンに挑む。

── 一昨年はチームに対し「あきらめが早い」という言葉もありましたが、昨季は終盤に失速しながらも2位。意識の変化は戦いぶりからも感じられました。

井口 最後の最後に粘って勝てたことは大きかったですよね。優勝を目指し、追う立場でありながら、3位から追われる立場でもある。1勝の重み、1点の重みがある中で、終盤に(新型コロナ感染で)離脱者が多く出た中でも踏ん張れた。勝つか負けるかのところで、しっかり自分たちの野球をやって勝てたのは、彼らの成長です。ただ、もちろん今年は「それ以上を目指す」と選手に伝えていますよ。

──その中で掲げたスローガンは「この1点を、つかみ取る。」です。

井口 1点という意味を深く堀り下げていきたいんです。それも、一軍だけではなく二軍の選手も含めて全員で。そうしないとチームは1つにならない。

──毎年、スローガンの発表は年明けでしたが今年は1月31日。キャンプで意識を強く持たせる狙いもあるのでは。

井口 その意味は強いです。1点を、どう奪うか、どう守るか。結局、そのための練習になりますから。キャプイン前日に発表することで、キャンプでの意識もより強くなっていく。よりチームに意識付けさせるためでもありました。

──では“1点”を強く意識させる理由は。

井口 昨年は1点差で勝った試合も多かった。ただ、逆に、大事な場面で1点を取られて負けてしまう試合も多かったんです。打撃陣は、得点圏で1点をもぎ取れなかったことが反省点でもありますし、投手陣でも「この1点を防いでいれば良かった」ということもあった。その経験、思いをチーム全員で共有していきたい。チーム防御率を1点減らすとか、シーズンの総得点を100増やすというのは簡単なことではありません。でも・・・

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