毎年のように大きな期待を受けながら、思うような結果を残せないシーズンが続いている。それでも期待せずにいられないのは、その左腕の力を誰もが認めているからに違いない。新フォームで増したストレートの威力。プロ6年目の今年にすべてを懸けて挑んでいる。 文=牧野 正 写真=榎本郁也、BBM 自分のポジションと信頼を再び取り戻す
力強いストレートが捕手のミットに突き刺さる。ドスンと響く重い音。時折、緩やかなチェンジアップ、コーナーいっぱいに決まるカーブも投げるが、やはりストレートの迫力は圧巻だ。
「充実しています。毎日レベルアップできるように取り組んできて、それは日々できているように思っています」
沖縄・北谷での一軍キャンプ。今年でプロ6年目となる
小笠原慎之介は初日から意欲的だった。ブルペンで同学年の
郡司裕也を座らせて35球。2日後には
高橋周平や
平田良介の主力打者が相手のフリー打撃に登板し、ヒット性の当たりをほぼ許さなかった。「球が強かった」と高橋が言えば、平田も「糸を引くような感じで力強かった」と口にした。まだキャンプ3日目。主力打者の調整はこれからにしろ、小笠原にとっては手応えを感じる投球内容だった。
さらに数日後にはブルペンで170球の投げ込みを行った。1時間以上かかったものの、これほどの球数を投げられたのは新しいフォームを身に付け、心身ともに充実しているからだろう。
「昨年と比べてフォームはガラッと変わっていると思います。全部変わったと言えば話は終わってしまうんですが・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン