これまでの野球人生を振り返れば、行くべき道を示してくれた恩師がいる。阪神でレギュラー遊撃手として進化を見せている男が名を挙げたのが亜細亜大の生田勉監督だった。類たぐいまれなしなやかな身のこなしを持ちながらも、優しい性格のためなかなか競争の激しい世界の中で、芽が出てこなかった。そんな木浪聖也を厳しくも温かく見守ってくれていた。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM 当時、青森山田高の部長をされていた五十嵐康朗さん(現日本ウェルネス高監督)に「いい選手がいるよ」と紹介してもらい、視察に行きました。それが2012年。高校3年生・木浪聖也との初対面です。彼の動きを見た瞬間から、将来間違いなくプロに行ける逸材だと思いましたね。身のこなし、バランス感覚などの身体能力は抜群でした。
それに加え、動きにしなやかさもありましたし、ムダな動きがない。大学入学後に聞いたのですが、聖也のご祖母が日本舞踊の師範をされているらしく、彼も舞踊をずっと習っていたと聞きました。彼が持っているリズム感や体のしなやかさなどは、そういう踊りから来ているのかな、と思いますね。
青森山田高の同級生には京田(陽太=現
中日)君がいましたが、私はすぐに聖也に亜大へ来てほしいと思いました。そのときに五十嵐さんから「聖也は、性格に弱い部分があるけど、(生田監督)好みの選手だと思いますよ」と言われました。そういう経緯もあり、亜大への入学が決まり、野球部に入ってきたのです。しかし、試合に出場すると・・・
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