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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第46回「パ・リーグのつわものたち【前編】南海、阪急、西鉄の忘れられない選手たち。東映・張本さんのヒット量産の秘密?」

 

早めにヘッドを落とすスイングをしていた張本


カーブにびっくり


 前回、南海兼任監督時代の野村克也さんの話をしましたが、本当にすごい人でしたね。生き字引というのか、僕がどんなにおかしな質問をしても必ず答えてくれる。何でも知っている人でした。

 南海では、大投手の杉浦忠さんとオープン戦で対戦したのもよく覚えています。もう全盛期ではありませんでしたが、とにかくカーブがよく曲がる。先輩から「ストライクと思ったときは打ったらダメだぞ。体に当たるように来たら打てよ」と言われ、「ほんとかな」と思っていたら、ほんとのほんとでした(笑)。ぶつかるかと思って避けたらストライクだし、真ん中だと思って手を出したら、そこからぐぐぐと曲がって、外のボール球で届かず三振です。キャッチャーは当然、野村さんでしたが、僕をチラリと見て、「へへへ」と嫌な笑いを浮かべていました(笑)。

 あとは阪急の福本(福本豊)の前の盗塁王で広瀬(広瀬叔功)さん。足がとにかく速い人でした。無用なときは走らないという考え方だったそうで、成功率がすごく高い。この人は僕が苦手なタイプの走り屋でした。足音がしないんですよ。僕は捕球のとき、走者のスタートの音が聞こえると無意識でスイッチが入った。巨人の柴田(柴田勲)はバタバタと音がするから分かったんですが、広瀬さんは、まったく音がしない。だから・・・

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