弱気が最大の敵だ。結果が出ずに迷っていた過去2年がウソのように豪快なスイングを見せている。持ち前の長打力を発揮し、キャンプからアピールを続け、オープン戦全13試合で四番に抜てき。迷いを捨て、強い心で挑む初の一軍舞台。ロッテの新たな主砲は同世代へのライバル心も胸に、飛躍を期して3年目のスタートを切る。 取材・構成=鶴田成秀 写真=桜井ひとし 迷いを捨て、強い心で打席へ向かうのは、ファームでの経験から生まれた意識だ
意味ある2年を経て
一朝一夕で飛躍は遂げられない。ブレークの兆しを示しているのは、入団からの2年間の準備の賜物だ。体をつくり、技術を高めた2年を経て、一軍未出場ながらオープン戦で2本塁打を放った21歳が『開幕・四番』を手繰り寄せた。 ──オープン戦13試合は、すべて四番。大きな期待を寄せられる3年目です。
山口 打順に関しては、打席の中で特に意識することはないんです。自分のやるべきことは、打順が何番でも変わらない。心掛けているのは、しっかり自分のスイングをすること。だから、四番ということを意識していないんです。自分の中では四番はホームランを打つ選手、打点を挙げる選手。チャンスで多く回ってくる打順だと思うので、そこでしっかり結果を出す人が、四番で活躍している選手だと思う。自分もそうなっていきたいです。
──これまでも、本塁打へのこだわりを口にしてきました。
山口 入団したときから「本塁打王を獲る」という目標を掲げてきましたので。
──その目標へ向け、昨年までファームで腕を磨いてきましたが、成長を実感している部分は何でしょう。
山口 まずは気持ちの面です。1年目は、打てないと、すぐにイライラしていて(苦笑)。試合中なのに……。切り替えが本当にヘタクソだったんです。1打席目に凡退すると、引きずってしまって、コーチによく怒られていました(笑)。でも、今はそういうことはありません。
──経験を積んだことで余裕が生まれことが大きいのでしょうか。
山口 それはあります。打たないといけない、打ちたい、と余裕がなかったんだと思うんです。それに・・・
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