週刊ベースボールONLINE

あの時代の記憶 恩師が贈る言葉

米澤貴光(関東一高野球部監督)が贈る 中村祐太(関東一高→広島)へのメッセージ 「ケガでつらい時間もあったが、成長できた高校時代だったと思います」

 

どの選手にも、これまでの野球人生を振り返れば、行くべき道を示してくれた恩師がいる。広島で今季も先発陣の一角を争う中村祐太の高校時代は、2年生の春のセンバツで全国区へ名乗りを上げながら、その後は故障との戦いに苦しんだ日々でもあった。関東一高の米澤貴光監督に、山あり谷ありの日々と、その成長の道筋を振り返ってもらった。
取材・構成=藤本泰祐 写真=BBM


 中村祐太は、私にとって初めて出したプロ野球選手なので、思い入れのある教え子です。ケガもあったので、高校で力をつけ始めた投手の育成について、私自身、いろいろ経験になった選手でもありました。

 初めて見たのは、中学3年生の6月でしたか。彼のいた江戸川中央シニアの監督さんが、私の江戸川南シニアの先輩だった縁で見に行きました。そのときはボールも荒れていて、スピードもそこまでなかったのですが、キレは良かった。リリースでボールを切るときに、音が出るんですよ。「中学生でこの音を出せる子は珍しいな」と。ウチに推薦してくれたのは、地元なのと、スポーツコースがあって、練習時間が多く取れるので「この子が野球に時間を費やせば、伸びると思う」ということでした。

 ちょっと不器用で変化球があまり投げられなかったこともあり、1年生では直球をどんどん投げさせていきました。彼は皆といてもバカ騒ぎするようなこともなく、マイペースな性格ですが、自分で決めたことはしっかりやっていける子でした。寮での食事のときも、体を大きくしようと、最後の最後まで残って食べていたのが印象に残っています。

 1年生の秋からベンチに入ると・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング