多彩な変化球を巧みに投じて打者を手玉にとるオリックスの25歳右腕が、各球種の握りや投げ方、そして配球を含めた実戦での使い方など“変化球の極意”を明かしていく。連載コラム第1回は「なぜ、変化球を投げるのか」──。変化球を習得する前に考えを整理することで試合で投げる意味も分かってくる。 “プラス1”が生きていく
なぜピッチャーは変化球を投げるのか。そう問われると皆さんは、どんな答えになりますか? 僕の考えは「打者を打ち取るため」。バットに当たらないほどのストレートを投げられるのであれば、それで十分。真っすぐだけでアウトを奪えるのなら、別に変化球を覚える必要なんてないんです。僕が変化球を覚える、投げる、そして試合で使う上で、根底にあるのがこの考え。バッターを抑えるために、僕は変化球を投げているんです。
そんな僕が考える変化球を、今回から書かせていただくことになりました。ただ、これが正解とは限らない。プロ野球を観戦して駆け引きを楽しんでいる方、これから変化球を覚えたい方、またバッターとしてピッチャーの考えを知りたい方たちの、1つのヒントにしてもらえればうれしいです。なので“考え方”だけでなく、実際に僕の握りを見せつつ、投げ方も紹介していければと思っています。
と、その前に、変化球を見る方も、覚える方も、まず頭に入れておいてほしいことを紹介していきたいと思います。それが冒頭の“問い”。これが一番大事なんです。なぜそう言えるのか、僕の経験談を例にしながら説明します。
そもそも、僕自身が変化球を最初に覚えたのは・・・
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