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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第48回「僕が長嶋さんに殺されかけた?話と、続・印象に残るアンパイアたち」

 

調子のいいときほどアクションが大きくなった長嶋


遠くから王さんの声が……


 そうそう、長嶋(長嶋茂雄)さんとの面白い話を思い出しました。関西の古いファンには結構有名な話なんですが、僕が長嶋さんに殺されかけた試合があるんですよ……大げさ? まあ、確かにそうですけど、当たりどころが悪かったら大ケガはしていたかもしれないですよ。

 昔の記事があるんで、日にちも分かります。昭和48年(1973年)5月29日、甲子園の巨人戦でした。巨人V9の最後の年ですね。

 長嶋さんって、調子がいいときは、ほんと陽気で、子どもみたいに楽しそうに野球をする人でした。このときもそうだったんでしょうね。打席に入るとき、

「よーし、ダンプ、打たせろよ!」

 と大きな声で言って、いつものようにバットを大きく、くるくる回し始めた。これも調子がいいときほど動きが大きく、勢いがよくなるんです。

 そのときサインを出すために下を向いていたら、突然、ゴンと大きな音がして、自分の頭がす〜っと落ちていくのが分かった。

 そこから記憶が飛んだんですが、しばらくして遠くから、

「お〜い、ダンプ、大丈夫か。あとでチョーさん(長嶋)によく言っておくからな」

 という声が聞こえました。巨人の王(王貞治)さんです。不思議ですね、ほかの人も声を掛けてくれたと思うんですが、王さんだけの声が聞こえた。半分気絶しながらも相手を選んだかな(笑)。

 要は、長嶋さんが・・・

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