高校時代は陸上部に在籍し、社会人のクラブチームでプレー。無名の17歳は成長を求めてBCLのトライアウトを受験した。そこで目を付けたのが、富山の吉岡雄二監督だ。体力と技術に加えて思考力も成長していった1シーズン。高校野球を経験していない和田康士朗は、吉岡氏の指導の下、育成選手としてNPB入りを果たした。 取材・構成=岡田浩人 写真=BBM 初めて和田康士朗を見たのは2016年11月に千葉で行われたBCリーグ合同トライアウト(入団テスト)のときです。当時、私は富山サンダーバーズの監督として4年目のシーズンを迎えるところでした。50メートル走を5秒8で走る足の速さも注目しましたが、私の目にとまったのは、そのバットスイング。実戦形式の打撃テストでバットをブンブン振っている姿を見たときに「いいな」と思ったものです。
スイングが
ソフトバンクの
柳田悠岐選手を意識したような感じでした。当時の彼は体重が70キロもなくて、まだ線が細かったのですが、フォームの中で「ボールを見る時間」を持っているという特徴がありました。自分のタイミング= 間ま を持っていたんですよね。そこを一番評価しました。まだ非力だったので空振りをしたり、前に飛ばなかったり、ということはありましたが、体が出来上がってくれば面白いぞと感じたのです。
プロフィルを見れば、高校3年生でまだ17歳、しかも高校野球を経験していないという異色の経歴の持ち主。聞けば、社会人のクラブチームでプレーしていたと言います。金属バットを経験せず、この年齢から木製バットを使っているということもプラスだと思いました。
100人ほどの受験生がいた中で、私は彼が一番いい選手だと思いました。幸い・・・
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