貴重な中継ぎサウスポーとして、開幕から石井一久GM兼任監督の期待に応える働きを見せている。ワンポイント起用にとどまらず、1イニングを任される変則サイドハンド左腕として─。待ちこがれた一軍の舞台での挑戦が本格的にスタートした。 取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎 難しさとやりがい
開幕ダッシュに成功した楽天を支えているのは伸び盛りの若手たちだろう。その一人が渡邊佑樹だ。ドラフト4位のプロ4年目ながら育成契約、サイドスロー転向と苦しい時間を経て、今季は開幕一軍を勝ち取った。開花の兆しを見せる26歳の苦労人は、成長を続けながら不動の信頼を勝ち取っていく。 ◎
──開幕を一軍で迎え、7試合に登板(4月15日時点)。ここまでの自己評価は。
渡邊佑 (投球)内容が決していいわけではないのですが、それなりにやれているなとは思っています。ここまでは失点を少なくできているので、その点ではチームに貢献できているのかなと。打たれた次のバッターこそ大事にして投げるということを、今後もしっかり意識しながらやっていきたいです。
──リリーフとして、厳しい場面での登板が続いています。
渡邊佑 一軍の、さらに緊迫した場面での登板は初めての経験なので、すごく新鮮です。もちろん難しさもありますが、抑えたときのファンの方の拍手だったり、ベンチからの「ナイスピッチ」という声がとてもうれしいですし、それらがやりがいになっていますね。
──難しさというのは。
渡邊佑 これだけ多くのファンの前で投げることは二軍ではなかったですし、一軍の打者はスイング一つを取ってもそうです。ボールの見逃し方などもレベルが高いですから、そこで抑える難しさは確かにありますね。
──そこに対応するために意識しているのはどういったことでしょうか。
渡邊佑 1月の自主トレからずっとやっているのは、真っすぐを“強く”投げるということです。変化球も大事ですが、やはり一番は真っすぐを強く投げること。そのためにキャッチボールやトレーニングはしっかりやってきましたし、今のところはそれがちゃんとできているのかなと思っています。
──3月31日
ロッテ戦(ZOZOマリン)では1点リードの7回一死二、三塁と、しびれる場面でマウンドへ。
渡邊佑 勝っているゲーム、接戦の状況で投げるというのはやはり緊張しますね。ただ、ああいう場面でマウンドに立つからには、自分の立場とかは関係なく絶対に0点に抑えたい。緊迫した場面で使ってもらえたことに感謝して、しっかりチームのために腕を振っていこうと考えていました。
──代打・
角中勝也選手、
田村龍弘選手と強打者を相手に無失点でした。
渡邊佑 あの場面を抑えることができて、さらにやりがいを感じましたし、これからもあのような緊迫した場面で投げられるようになりたいなと、あらためて思いましたね。
──プロ初ホールドも挙げました。
渡邊佑 50試合近く投げることができれば・・・
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