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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

ダンプ辻コラム 第53回「土井正三の“神の左足”をダンプ流に解説します!」

 

ホームを踏む足をじっと見つめる岡田球審


すごいと思った2つのこと


 前回は、壮絶なる横浜暴行事件の話で終わりました(1982年8月31日、横浜スタジアムの大洋-阪神戦で、阪神のコーチが審判を暴行)。昔の野球選手のほうが血の気が多かったのか、乱闘は何度も見てますけど、昭和43年(1968年)、バッキーが荒川さんを殴ったときもすごかったな。でも、死んだヒゲさん(辻佳紀)に怒られるかもしれんけど、僕が試合に出てたら、うまくあいつを操れた気がする。立ち上がりから調子悪くて、ずっとイライラしてたからね。あのときは、藤本さんに「ダンプ、お前は休んどけ」と言われて、ヒゲさんが受けていたんですよ(9月18日、甲子園の巨人戦で、バッキーが王貞治に危険球。そのあと両軍乱闘になり、巨人・荒川博を殴ったバッキーは右手親指を骨折)。

 そう考えると、僕がしっかりしてたら、野球の歴史に残る2つの乱闘事件を止められたのかな。なかなか大人物みたいでしょ。通算でヒット418本しか打ってない小物なのにね(笑)。

 じゃあ、今回も審判の岡田(岡田功)さんの話をしましょうか。これは現場にはいなくてテレビで見とった話です。昭和44年10月30日、後楽園の巨人-阪急日本シリーズ第4戦です。よく日にちまで? 今はスマホに話しかけたら記事が出てくるんですよ。「阪神ダンプ」って、時々話しかけて遊んでます(笑)。

 このときのことを、のちのちマスターズ・リーグで一緒になったとき、土井(土井正三。元巨人)に聞いたことがあります。

「あれは2つのことがすごかったな。どう? 俺が何をすごいと思ったのか分かる?」

 このとき土井と僕は意見が一致したんです。「岡田さんの目とカメラマン」って。

 ダブルスチールで、一塁走者の王さんが二盗を仕掛け、三塁にいた土井が時間差でホームを突いた。キャッチャーの岡村(岡村浩二)さんが二塁に投げた球が2-4-2で返球され、かなり際どいタイミングになったんですが、球審の岡田さんは・・・

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