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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第60回「衣笠祥雄との最後の雑談。そして花粉症とガソリン」

 

84年初の打撃3割でMVPにもなった衣笠。その活躍の陰に……


衣笠覚醒の恩人?


 何年か前ですが、TBSの人間から電話があって、横浜球場に呼ばれたことがあります。衣笠(衣笠祥雄。元広島)が、僕に会って話をしたいと言っている、ということでした。

 別に、そんな仲がよかったわけじゃないですよ。会ったらあいさつするくらい。何でかなと思ったけど、せっかくだからと思って行って、1時間くらいかな、雑談をしました。

 現役時代、あいつと少しだけ長くしゃべったのは大洋時代、松山での試合が雨で中止になったときです。何となくしゃべる機会があったんですが、ずっと打率3割を打てずに自分がいかに悩んでいたかという話を熱心にしていました。どうしても打ちたかったのに打てず、ずいぶん苦しんだらしいです。でも、そんなこと規定打席には1回しかいっておらず(1971年)、そのとき打率.193だった僕になんでと思ったけどね(笑)。

 それが昭和59年だったかな(1984年)、衣笠が一度だけ3割を打った年があったでしょ(.329)。聞いたら、「あれはダンプさんのおかげです」という。え? いや、話をつくったわけじゃないですよ、失礼な(笑)。衣笠が本当にそう言ったんです。

 ある試合の打席で、彼が・・・

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