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SPECIAL INTERVIEW 復活の左腕に聞く。

DeNA・今永昇太インタビュー 踏み出した第一歩「1つ勝っただけでは喜べないです。もっと勝ちを積み重ねていきたい」

 

昨年10月の左肩手術から復帰を目指す今永昇太が6月13日の日本ハム戦(札幌ドーム)で先発し、7回1失点の好投で、昨年8月以来の勝利を飾った。先発が慢性的に不足するDeNAの投手陣にとっては、待望のエース復活だ。チームの精神的支柱でもある左腕が最下位に沈むベイスターズの起爆剤となる。
(インタビューは6月20日に実施、文中の成績も同様)
取材・構成=滝川和臣 写真=BBM

先発ローテが総崩れのDeNA投手陣にとって今永の合流はとてつもなく大きい[写真=井沢雄一郎]


手術“前後”の変化


──309日ぶりの復活の勝利。あらためてどう感じていますか。

今永 手術の前後でさまざまな方に相談しました。手術後はトレーナーさんが付きっ切りでトリートメントしていただいたり、両親にもギリギリまで手術することを伝えなかったので、いろいろな方に心配もかけてきた。そういう方への感謝の思いが強かったです。

──自身にとって意味のある1勝だったと思います。

今永 感謝の気持ちを示すためには、勝たなければいけなかった。そして、こうしてインタビューで記事にしていただき、皆さんに元気な姿を見せることで、ありがとう、という気持ちを伝えたかったです。でも、現状はまだ「1勝」です。ほかの先発投手は6勝、7勝していますからね。1つ勝っただけでは喜べないです。もっと勝ちを積み重ねていきたいなと思います。

──感覚としては、例えば13勝を挙げた2019年シーズンと比べると、状態は何%まで戻ってきていますか。

今永 ほぼ100%です。

── 一軍復帰登板となったヤクルト戦(5月23日、神宮)では4回途中7安打6失点と打ち込まれましたが、試合を重ねるごとに良くなっている印象です。

今永 僕の中では納得がいくフォームで投げられているかどうかを、すごく大切にしています。自分と勝負するのではなく、相手と勝負しなければなりません。それができているときは、だいたい結果がついてきます。チームで試合をしているので、自分の調子が良い、悪いで野球をやりたくない、そう思って投げています。ヤクルト戦はちょっとフォームがしっくりきていなくて、自分と勝負してしまう部分がありました。投げているボールがどうこうというレベルではなかったですね。

──手術前とあと、フォームに違いはありますか。

今永 投球時の体の使い方として、縦振り、横振りという話題になりますが、僕は体の回転が横振りになることは悪いことと捉えていません。横振りでも最短距離で骨盤を回せて腕が出てくる決まったタイミングが僕の中にあるんですけど、悪いときは骨盤が遠心力に負けて遠回りしてしまうんです。以前のフォームはその傾向にあり、神宮の試合もまさにそうでした。それを試合中に修正できなかったのがダメでしたね。

──骨盤や股関節の動きと合わせて、体の近くで腕を振るイメージでしょうか。

今永 腕は体の近くを通すのですが、ボールをリリースするときはなるべく体から遠くになるように、打者の近くで投げるイメージ。さらに言えば、顔と腕の距離を離すのではなく、踏み出した自分の右ヒザとリリースポイントの距離を取る感じですね。ステップした右足とヒザ、股関節でしっかりと体重を受け止めなければ、リリースの最後でグッと押し込めない。そこは手術後に修正して、今しっくりきていますね。

──ステップ幅は狭くなっていますか。

今永 少しだけ狭くなっています。でも、本当にわずかですよ。僕のステップ幅は・・・

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