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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第67回「喜びが伝わるキャッチングって分かりますか?」

 

日本代表の正捕手・甲斐


1球たりとも気を抜かず


 喜びが伝わるキャッチングって分かりますか?

 最近は、あんまり見たことなかったけど、今回のオリンピックの甲斐(甲斐拓也ソフトバンク)がそうだった。それも最初からじゃなく、何試合かしてからですけどね。

 甲斐は何年か前、広島との日本シリーズで肩で売り出したでしょ。僕も楽しみな選手が出たなと思って見ていました。キャッチングやリードにしても、うまいか下手かは別にし、すごく一生懸命やっていましたしね。けど、一時期、ちょっと雑になった。ミットだけ動かして捕ったり、スローイングにもムダな動きが出ていた。別に、それでミスが増えたとかじゃないんですよ。ちゃんと捕球はできていたし、スローイングにしたって、あの肩の強さがあれば、そう大きな問題はありません。

 でもね、キャッチャーは人からもらったデータどおりにサインを出して、ピッチャーのボールを後ろにいかさんように捕って、ただ強い球を二塁に投げればいいわけじゃない。リードにしても、今はデータがたくさんあるから、ベンチからは、「そのとおりにサインを出せばいい」と言われてるかもしれんけど、それじゃ面白くないでしょ。

 ピッチャーを洗脳して、「こいつのリードどおりに投げておけば間違いない」と思わせ、いかに乗せていけるか、眠っている力を引き出すか。それが面白いし、できるポジションでもある。それにね、若いピッチャーは1球の失投、1つの負けで二軍落ちしちゃうかもしれない。そう考えたら・・・

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