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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第70回「ダンプ流キャッチャー術を読みたくないですか」

 

セカンド守備の名手・高木豊。これはショートのとき


まずは捕球の話から


 あの……文句じゃないんですけど、このコラムのせいか、最近、僕のことを単なる面白いオジさんみたいに思ってる人がいるんですよね……。まあ、嫌われているわけじゃないし、それはそれでいいんですけど、たまには、ちょっとマジメな話をしたほうがいいかなと思いましてね。今回からダンプ流キャッチャー術といきたいんですが、いかがですか? 面白ければなんでもいい? マジメな話って言ってるのに……相変わらず適当だな(笑)。

 まずは、ちょっと気になっているキャッチングの話からいきましょうか。中尾(中尾孝義。元中日ほか)から始まって古田(古田敦也。元ヤクルト)で広まったと思うけど、腕をガシッと伸ばして、押し付けるみたいに捕球するキャッチャーが多いじゃないですか。あれはどうなんですかね。古田みたいに腕の力が強ければ止まるし、すぐスローイングにも入れるけど、子どもがやると、球の勢いに押されてミットがどうしても動くでしょ。逆に、そうならんように力み過ぎてストライクのボールをボールゾーンに押し出すようになったりもする。低めの球だったら、かぶせるようになって、捕ったあとミットが下がったりね。そこからミットを戻しても、審判はなかなかストライクにはしてくれませんから、すごくもったいない気がするんですよ。

 大体、長いこと受けていれば、ボールがどう来るかは分かりますから、普通に待っていればいいんですよ。普通に構えてミットを置いておいて、はい、来た、パチンと捕ればいい。前で捕ってスローイングしようとしたら一度、体の近くに手を戻すか、体を寄せないといかんでしょ。それより体の近くで捕り、そのままフットワークを使ってスローイングに入ったほうが時間の無駄がない。意識としては、お腹の下、臍下丹田(せいかたんでん)に意識を置き、息は吐きながらで、投手のタイミングに合わせて止めてから捕りました。

 あとね、キャッチャーの場合、キャッチボールじゃないんだから、ただ捕るだけじゃなく、いい音が出る自分だけの捕球ポイントを見つけなきゃいけない。ブルペンだけじゃないですよ。試合中は・・・

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