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16年ぶりの歓喜を目指して ZOOM UPインタビュー

阪神・ガンケル インタビュー いい投球リズムでチームに勢いを「外角低めへの真っすぐが生命線」

 

首位争いをする阪神の原動力の1人だ。ジョー・ガンケルは、開幕先発ローテ入りし、常に安定した投球を見せてきた。来日2年目で日本野球に慣れ、進化させた投球術がある。混迷するセの優勝争いの中で、頼れる助っ人右腕が虎の切り札になってくれるはずだ。
取材・構成=椎屋博幸 通訳=中西等々 写真=毛受亮介、佐藤真一、松村真行

今季は外角の低めへ真っすぐの制球力が上がり、フォークの落ちも良くなった。その結果、すべての球種で勝負できるようになったことが安定感のある投球につながっている


昨年1年の経験が糧に


 昨年も先発ローテーションの1人として期待されていたが、集中打を浴び早い段階での降板が多く、6試合の先発のみで中継ぎに回った。今季は開幕から先発ローテの一角として、すでに6つの貯金、しかも1敗のみという成績を残している。昨年、日本野球を経験し、自分に何が必要なのかを考え、進化させ、安定感を身に付けている。

──今季ここまで7勝1敗で好調な投球が続いています。その要因を自己分析してもらえますか。

ガンケル 今季はストライクゾーンをうまく使えているのかな、と思います。投手有利なカウントに持っていき、その中でストライクゾーンの外側にボールを投げ切ることができているのが、好調の要因である、と思います。そういう投球をするために、しっかり練習を積んできました。そして今、それがいい結果となっています。

──昨年1年間、阪神でプレーして日本の球審のストライクゾーンというのも、自分の中で理解できるようになったことも好調の要因でしょうか。

ガンケル 言われるとおり、去年、1年間で日本のストライクゾーンを学べたというところはありますね。当然のことですが、それぞれの球審によってストライクゾーンが違うところもあります。ただ日本の審判の傾向として、この変化球だとストライクを取ってもらいやすいとか、このコースだと球審の手が上がりやすいということを学ぶことはできたと思いますし、それが今季の自分のピッチングに生かされていることは確かです。

──アメリカとは違う日本人打者の特徴なども、1年間かけて理解した部分もあるのかなと思います。

ガンケル 間違いなくそこはすごく大きな部分ですよ。さらに今季は先発ローテで回っていく中で、同じチームと何度も戦っているので、各打者の特徴なども把握できていることもこの成績につながっていると思いますね。各打者の特徴を知ることができたことで、弱点だったり、気を付けないといけないコースなどを理解してマウンドに上がれているのは、すごく大きいです。それと同時に、捕手の梅野(梅野隆太郎)選手に頼っている……頼り過ぎている?(笑)のですが、彼のお陰で打者を抑えられるボールが投げられているな、と思っています。

──では、一番驚いた日本人打者の特徴とは何だったのでしょうか。

ガンケル 2ストライクを取られたあとのアプローチがアメリカの打者とは違うと感じました。特に左打者は、すごく粘ってきて、自分が打てる球が来るまでファウルなどで粘っていくという印象はすごく強いです。昨年は、10球でも20球でも私に投げさせて、その後、私が根負けして甘い球を投げてしまって、打たれるというケースがありました。そういう打者をどうやって抑えるのか──。早いカウントで追い込むことをやっていこうと思いましたし、どうやって球数を少なくしながら打たせて取るかの対策を立てたことが、今の勝ち星につながっています。

──そのためには外角のストライクゾーンの内外や高低をうまく使っていく必要があるのかな、と思います。

ガンケル まさにその外角のストライクゾーンをうまく使っていくことが大事だと思っていますし、効果的ですよね。そこがうまく使えれば、打者に的を絞らせにくくなりますし、早いカウントで打たせることができるのではと思います。その中で一番重要なのは・・・

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