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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第72回「原監督、風景を自分で持っているってこういうことでいいんですかね」

 

ダンプさんのピックオフプレーに引っかかった広島・達川。その裏にドラマも


風景は見えているか


 そうそう、NHKから連絡があって、以前と同じような取材を頼まれました。江夏(江夏豊阪神ほか)の昭和43年(1968年)ごろの話です。あいつが日本記録を王(王貞治)さん(元巨人)で更新し、世界記録の401奪三振をつくった年です。以前は江夏と王さんも出てましたが、今度はどうするんかな。あのころの話は人気があるみたいで、時々ですけど、雑誌からも来ます。江夏と組んだおかげで、50年もたってるのに仕事の話があるんだからありがたいことです。

 でもね、これは何度も言ってますけど、僕は現役時代、江夏と飯に行ったことも、お茶を飲みに行ったこともない。それどころか、じっくり話したのもたった一度だけです。ホームラン打たれたくない、というあいつと、だったら外の低めを磨くしかないぞ、という話をしたときだけ。グラウンド以外じゃ話どころか、目も大して合わさん。お互い仏頂面でね(笑)。

 もうずいぶん前になるけど、僕と江夏がどっかの雑誌の企画で初めて五反田のホテルで対談したときも、最初は、どっちもしゃべらんでじっとしていたんで、担当の人が焦っていました(笑)。幸い、その人が当時の新聞の切り抜きを見せてくれたんで、それを見ながら、やっと2人の口がほどけた記憶があります。

 どうですか? ベースボールさんで、もう一度、僕と江夏の対談してみませんか。あいつを突っつけるのは僕くらいかもしれんですよ。え、おかしなこと言ったら怒られそう? 度胸ないな。大丈夫です。別に手までは出さんでしょう(笑)。

 そうそう、ここからが本題です。この間、巨人の原辰徳監督が「自分の風景を自分で持っていることが大事だ」という話をしたんですよ。勝ちペースだった先発ピッチャーが崩れ、最後、リリーフで勝ったあとです。前後の細かい話は聞かなかったんですが、要は、自分が完投する風景を頭の中に描かなきゃいかんという意味だと思いました。

 なんか抽象的な話になってしまうけど・・・

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