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田中大貴のMonthly Column

田中大貴コラム 『松坂世代』あの夏から23年目の延長戦 「各球団が必要とした男、水田圭介」

 

兵庫・小野高、慶大で活躍し、東京六大学リーグ戦では早大・和田毅(ソフトバンク)と真剣勝負を演じた元フジテレビアナウンサーで現スポーツアンカーの田中大貴は、1980年生まれの「松坂世代」の1人。そんな野球人・田中が、同年代の選手たちをプロ野球現場の最前線で取材した至極のエピソードを、コラムにして綴る連載第40回です。

大阪桐蔭高では甲子園出場こそないものの、高校通算55本塁打と強打で注目のスラッガーだった


強打者→堅実な守備


「大阪桐蔭高」を、最初に認識したのはこの選手を見たときでした。水田圭介。高校時代に55本の本塁打を放ち、その後に進んだ社会人のプリンスホテルから2000年のドラフト7位で西武に入団。阪神中日、そしてヤクルトでもプレーしました。

 大阪桐蔭高では横浜高と熱戦を演じたPL学園高、関大一高など強豪ひしめく地区で、甲子園への出場は叶いません。

「1998年、夏の甲子園に出場することができませんでした。けれど、生の松坂大輔を見るために横浜高対柳ケ浦高の試合を甲子園に見に行きました。柳ケ浦には親友である3人の選手がプレーしていました。彼らが松坂と対戦するのを見て、甲子園に出たかった、松坂と対戦してみたかった……と、いろんな想いが込み上げてきたことを覚えています」

 98年の夏は80回目の記念大会と位置付けられ、全国から55校が出場。大阪は南北に分かれ2校が出場することができました。

「大阪からの出場校は2校という記念大会。1校はPL、もう1校は僕ら大阪桐蔭が出場できると思っていました。けれど、負けると思っていなかったチームに負けてしまい、あっという間に高校野球が終わってしまった。大阪桐蔭は寮生活で、テレビも見れない、携帯電話もない時代だったので、同世代のライバルを意識するというよりは毎日、自分と向き合って、自分の事で精いっぱいでした」

 174cmと決して体は大きくはないものの、高校時代は長距離砲として松坂世代の中でも注目の逸材でした。高校卒業後は・・・

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