週刊ベースボールONLINE

データで考えるプロ野球

年々減少する「2ケタ勝利」の価値を考える 2ケタ勝利投手の減少とともに最多勝投手の勝利数も減少傾向

 

近年、減少の傾向が顕著なのが、「2ケタ勝利」を挙げる投手の数だ。これはチームの試合数が少なかった昨年だけに限った現象ではない。先発ローテーションの間隔の変化もあり、一時代前とはその価値もまったく違ったものになりつつある。最多勝投手の勝利数や、20勝投手の数も含めて、考えてみた。(成績は9月21日現在)
データ・文=永山智浩

8月20日の西武戦[京セラドーム]で1失点完投、9回裏のサヨナラ勝ちで10勝に到達した山本由伸[オリックス]。ここまで14勝と頭一つ抜けた存在だ


19年から2年連続で最少を更新 佐々木千は救援専門で2ケタ狙う


 9月21日時点で2ケタの10勝以上をマークしているのは、セ・リーグでは阪神青柳晃洋秋山拓巳巨人高橋優貴でともに10勝。パ・リーグは14勝のオリックス・山本由伸を筆頭に、同じくオリックスの宮城大弥と西武の高橋光成が11勝だ。

 セは優勝を争っている阪神と巨人から3人。チームは下位に低迷しているが中日柳裕也広島九里亜蓮が9勝をマークし、10勝に王手をかけていて、優勝を争っているヤクルトはエースの小川泰弘の8勝がチームトップ。DeNAは6勝の大貫晋一が勝ち頭だが、10勝に届くかはちょっと微妙なところだ。

 パは今季大躍進し、優勝争いを展開しているオリックスが2人。チームは5位の西武だが、開幕5連勝した高橋が2年ぶりの2ケタをマークして、こちらも3人。優勝争いにギリギリ残っている楽天則本昂大が3年ぶりの2ケタに王手をかけていて、最下位ながら9勝が2人いるのが日本ハムで、エースの上沢直之、ルーキーの伊藤大海だ。過去、2ケタ勝利投手が2人以上で最下位だったのは過去53チームと少ないわけではないが、1950年から99年までの50年間で47チームあるのに対し、2000年以降の21年間では6チームしかない。

 優勝争いをリードしているロッテは8勝が3人。先発の岩下大輝小島和哉とリリーフの佐々木千隼だ。もし2ケタ勝利投手なしで優勝すれば、00年のダイエー以来21年ぶり史上2度目の「2ケタ勝利投手なしのV」となる。また佐々木千がこのままリリーフのみで2ケタ勝利を挙げれば・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング