シーズン途中から“MVP”コールが大谷翔平へ送られた。この男が成し遂げた偉大な成績とパフォーマンスによるものだ。投打、そして足でメジャートップの数字をたたき出し、今季のMLBの顔になった。圧巻の1年を振り返る 取材・構成=樋口浩一 写真=Getty Images 【大谷翔平2021打撃成績】 2021年155試合138安打 8三塁打 46本塁打 100打点、打率.257 今季の本塁打の特長は打った瞬間ホームランと分かる飛球。打球方向を見ながらゆっくり走り出すのが今年の大谷だった
他のメジャー・リーガーたちを凌駕した圧倒的パワーとチーム打撃
まさにBIG FLYを1年間、アメリカの空に打ち上げ続けた。その数46本。誰もが予想さえしなかった40本のカベを簡単に越え、本塁打王争いを最後まで演じた。2018年にエンゼルスに加入し、二刀流で出場。新人王に輝くも、右ヒジのトミー・ジョン手術や左ヒザなどのケガで思うようなシーズンは3年間で1度もなかった。リハビリの間にひと回り大きくなった体が、もともと持っていたパワーにさらなる力を付けた。
オープン戦から5本塁打を放つなど好調のまま、現地時間4月2日、開幕2戦目のホワイトソックス戦で早くも今季第1号。続く第2号は2日後の同戦。このときはメジャー初のリアル二刀流「先発・二番」で出場し、1回を無失点に抑えた裏の攻撃で初球を右中間へと特大の一発を放った。
5月3日のレイズ戦。レイズのエース、タイラー・グラスノーからバックスクリーンへ130メートル特大弾。「オオタニは身のこなしが本当にすごいね」とグラスノーも称賛。この試合時点で26試合を消化し9本塁打といいペースで打っていた。
さらに全米中を驚かせたのは・・・
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