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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第79回「ダンプの大予言です。これからは右打者の時代が来ます!」

 

エンゼルス・大谷の活躍が時代を変えた?


途方もないことしてます


 今、キャッチャーの配球のセオリーみたいなものをパソコンに打ち込んでいるんですよ。でも、難しいですね。途中で止まって、なかなか前に進みません。まず、データや相性、ピッチャーの出来を考え、プレーボールの1球目をどうするかから始まりますけど、それを文字にするだけでとんでもない量になる。ピッチャーが1試合130球投げるなら、130球、全部違ってきますし、ほんと途方もない。

 バッターがまず手を出さない外角低めが、初球のセオリーとしてはありますが、ピッチャーがしっかりそこに投げられるかどうかもあります。プロ2年目、昭和43年(1968年)からの江夏(江夏豊阪神ほか)は、そこにピシッと投げられたから、僕も楽だった。時々、バッターの打ち気を見抜いて、こっちを無視してど真ん中に棒球を投げたりするけど、それはそれで面白かった。バッターも「やられた」って顔をしますからね。

 ただね、たいていのピッチャーはサインどおりには来ませんけど、その試合で初めて球を受けるわけでもないでしょうから、ブルペンで教育せんといかんのですよ。「ここに投げてこい。ここに投げられんと、お前はプロでメシが食えんぞ」ってね。僕はそういうことはしっかりやった。制球だけじゃなく、ナチュラルでスライダー回転するんだったら、それを直すんじゃなく、それを武器にするためにどうしたらいいか、考えてやる。例えば、スライダー回転しない真っすぐと、意識したスライダーを覚えさせたりね。実績を出しているエース級の投手にそんなこと言っても言うこと聞きませんから、若いピッチャーやくすぶっているピッチャーにしつこく言って育てました。

 コーチでもないのにピッチャーを育てたキャッチャーって、ほかにいますか? たぶんいないと思いますよ。野村(野村克也)さん(南海ほか)? あの人は兼任監督だから言うことを聞かすことができた。聞かなきゃ使わなきゃいいんだから。僕とはまったく違います。

 おっと話が・・・

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