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新生鷹流 常勝のススメ INTERVIEW

先発ローテ入りに挑む ソフトバンク・杉山一樹インタビュー 投げることに魅せられて 「投げることが好き。勝負事も好き。1人で投げ抜いたら、9イニングを戦える」

 

着実に成長の爪痕(つめあと)を残す右腕の目指す先にはチームを背負って立つ未来の自分がいる。先発も中継ぎも経験し、来季こそつかむ確固たるポジション。大好きな勝負の世界を、剛速球を武器に思う存分楽しむつもりだ。
取材・構成=菅原梨恵 写真=高塩隆、湯浅芳昭

自身シーズン最終戦となった10月16日のロッテ戦[ZOZOマリン]で見せた見事なノーヒット投球。ところで、よく見ると、ちょっとした気になるポイントが……[詳細は下の「気になる真相を直撃!」にて]


チャンスで感じた楽しさ


 ポテンシャルの高さに、独特で不思議なキャラクターも相まって、1年目から注目を集めてきた。3年目の今季、並々ならぬ覚悟を持って挑んでいたという杉山一樹は、あらためて自身の課題に直面。ただ、それを克服した先に新たな可能性が見えるのも事実だ。

――開幕前から今季に懸ける強い思いを口にしていました。

杉山 勝手な決め事ですけど、社会人のときも3年でプロに入れなかったら静岡(地元)に帰ると親と約束をしていました。それで実現できたので、プロでもまずは3年が勝負かなと。1年目、2年目と不甲斐ない成績でしたし、これからもっと若い選手も入ってくる中で、いつまでも期待されているわけではない。自分の中の”けじめ”ですね。

――そんな勝負の1年は、どんなシーズンでしたか。

杉山 (春季)キャンプのときは順調に進んでいて、オープン戦も自分の中で悲観するようなことはなかったんですけど、シーズンが開幕してから焦りが出てきてしまったような気がしています。覚悟を決めて挑んだシーズンだったからこそなのか、精神的に自分から崩れていってしまって。技術的なところでも歯車が合わなかったので、前半戦は悔しい思いをしました。

――後半戦はうまく気持ちを切り替えることができましたか。

杉山 二軍に行ってから見つめ直して、自分が求めてきたもの、やりたいことを明確にして取り組んだ結果、すごく楽しくなってきたんです。二軍ですけど結果もついてきたので、いつ呼ばれてもいいぐらいの準備を心掛けていました。

――求めてきたものとは、具体的には?

杉山 変化球のコントロールが一番ですね。これからもずっと付きまとってくるんじゃないのかな……。自分がなりたい投手像というのがあって、そのためにはコントロールが必須。若いころは多少アバウトでもいいのかもしれませんが、目指すべきところにたどり着くには、思ったところに正確に投げられるようにならないと。

――どんな投手を目指していますか。

杉山 球団OBの方だったら斉藤和巳さんだったり、今のチームなら千賀(千賀滉大)さんのような、絶対的な大黒柱と言えるピッチャーが理想です。投球はもちろん、強い気持ちでも打者を圧倒する。

――まさに「エース」と呼ぶにふさわしい投手ですね。そこを目指すにあたって、今季はキャリアハイを更新する15試合に登板。自身の中で印象に残っている試合はありますか。

杉山 3つあるんですけど・・・

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