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新生鷹流 常勝のススメ INTERVIEW

チームとともに新たなスタート ソフトバンク・長谷川勇也一軍打撃コーチインタビュー 今までどおり、自分らしく「芯を持った選手が育っていく環境をつくっていけたら。環境さえ整えば、選手は勝手に育っていく」

 

一生懸命に突っ走ってきた15年が幕を閉じた。最後まで貫いた自分のスタイルに誇りがにじむ。ただ、終わりは新たな始まりでもある。藤本博史新監督の下、再びチームへ。立場は変わっても、野球に対する熱い思いは変わらない。
取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM

秋季キャンプでは自ら打撃投手を買って出るなど、選手のために精力的に動き回った


習慣があったからこそ


 秋空の下、11月25日まで行われていたキャンプ。選手に寄り添う長谷川勇也の姿があった。現役時代は黙々と自分の打撃に打ち込むことが多かったが、今は表情和やかに、身振り手振りで指導に当たる。新たな野球人生について話を聞く前に、まずは「1年1年積み重ねてきた結果の、あっという間の15年だった」という現役生活を振り返ってもらった。

――「山あり、谷ありの野球人生だった」と話していましたが、そんな中でも首位打者、最多安打のタイトルを獲得した2013年は特別なシーズンだったのではないですか。

長谷川 13年はそれまでのバッティングとはスタイルを変えて挑んだシーズンでした。ちょっとスケールアップしたいなと思って取り組んだ結果が、数字に表れましたね。

――具体的にはどのようなところを変えたのでしょう。

長谷川 それまではどちらかというとじっくりボールを選びながら、待っているボールが来るまで我慢しながら、という感じでした。簡単にアウトにならないような意識で打席に臨んで、崩されないように努力していた。それを崩される前提というか、崩されても打てるようにシフトチェンジしたんです。そうすることで、より広角に打てるようになりました。

長谷川が作り上げた作品の1つが2013年。広角に198本もの安打を放った


――タイトルを獲得してさらなる活躍をと意気込んだ翌年、シーズン終盤に右足首のケガがありました。結局、このケガが最後まで長谷川さんを苦しめることに。ケガがなければ……と思ったこともありますか。

長谷川 こればっかりは難しいですね。でも14年は調子が悪い中で何とか(打率)3割にまとめられて自信にもなった。ただ、ケガが……。もう1回いい状態を取り戻して、と思っていたのですが。

――引退会見では、右足首が「ボロボロになった」と。具体的にはどのような状態だったのでしょうか。

長谷川 単純に可動域が制限されてしまって。バッティングフォームでいう右足の踏ん張りがほぼないような状態でした。足首だけじゃなくて、股関節とかヒザとかいろいろなところが自分の思うように動かせなくなっていましたね。

――バッティングと自身の感覚のズレというのは、今年は特に大きかった?

長谷川 春先はいい感じだと思ったんですけど・・・

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