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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第82回「キャッチャーのリードも曼荼羅チャートです」

 

巨人の小林[左端]はベンチの信頼を取り戻せるか


大谷とおんなじです


 人間、何でも根を詰めてやっていくと段々できるようになるんですね。パソコンがそうです。最初は打ち間違いばっかりなんですが、2時間も打っていると、だんだん打ち方がよくなるのか、間違いがなくなってくる。バッティングも同じ? どうでしょうね。僕の場合、それでパソコンの打ち方がうまくなったわけじゃなく、次にやるとまた間違うんですけど(笑)。

 前から言ってる「ダンプ流リード術」ですが、かなりの枚数になってきましたよ。書いていてあらためて思うのは、配球って書き尽くせないなということです。例えば、相手が同じバッターで、初球にアウトコース低めを選んだとするでしょ。それがまずストライクかボールかがあるし、打者がどういう反応をしたかも見て2球目を決め、それでまた3球目、4球目とつながっていく。

 似ているなと思ったのが、大谷翔平(エンゼルス)が書いた曼荼羅(マンダラ)チャートです。テレビで見たんですが、彼は高校時代から書いていたというからすごいですよね。9分割の真ん中に「ドラフト1位8球団」という目標を書いて、周りの枠に、そのために必要な「コントロール」や「キレ」が書いてある。それで、さらにその外枠にコントロールをつけるために必要なものとして「体を開かない」とか「体幹強化」とあるものです。

 配球も同じ。このバッターからはアウトを取りたい、という目標があっても三振を狙うか、内野ゴロか、外野フライかで全部違うし、さっき言ったように1球目がどんな球かでも2球目が全部違ってくる。ある意味、セオリーではなく、状況しかないんですよ。それをいちいち「こう来たから、こういう可能性はあるんで、次はこう……」と考えたら間に合わないんです。頭の中で無限の曼荼羅チャートみたいなものが広がっていて、「こうなった、よし次はこう投げよう」という選択肢がポンと自動的につながるところまでせんと、プロのキャッチャーとは言えないんじゃないですかね。

 僕も・・・

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