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週ベ特別表彰! わがチームのMVP

楽天・安樂智大 冷静に、大胆に 「背伸びをしても意味がないので、自分ができることを全力でやる」

 

ドラフト1位で入団するも、ずっと期待に応えられずにいた。それでも2021年、ようやく開花の時を迎えた。58試合登板はチームで2番目の数字。セットアッパーとしての挑戦に、ようやく一歩を踏み出した。
取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、松田杏子、湯浅芳昭


無失点で帰ればいい


 リリーフ防御率2.75とリーグトップを誇った楽天。絶対的守護神の松井裕樹が離脱し、Bクラス転落の可能性もある中で底力を見せたのが中継ぎ陣だ。その中でも、2020年から本格的にリリーフを務め、昨季はチーム2位の58試合に登板した安樂智大の存在は大きかった。15年にドラフト1位で入団し、苦しみ続けた時間を経て迎えた21年の活躍。さらなる飛躍へ、今何を思うのか。

――昨年は勝利の方程式入りを果たすなど大車輪の活躍でした。自己評価はいかがですか。

安樂 昨年の年明けに野球ノートに書いた目標が50試合登板だったので、そこをクリアできたことはよかったと思います。ただ、チームとしては負けましたし、終盤、大事な場面で打たれたというのが僕の中で残っているので、いい点もありましたが悔しさのほうが強いシーズンだったかなと思っています。

――見えてきた課題というのはどういったところだったのでしょうか。

安樂 シーズン序盤は経験値もないし、怖さもないので、どんどんゾーンで勝負できていた部分が、試合を決められる一発を打たれたりすることによって、一発を嫌がる部分が多くなって大胆さがなくなり、後半戦はボール球でのフォアボールが増えてしまったなと思います。

――ですが、傾きかけた流れを引き寄せるような登板も多く、首脳陣からの信頼の大きさもうかがえました。流れが悪い中でマウンドに向かう際に意識していることはあるのでしょうか。

安樂 開き直らないといけない場面は開き直らないといけないと思っています。ランナーがたまった、1点も許せないという状況で出ていくわけですから、チームのみんなも、ファンの皆さんもこの流れを変えてくれ、止めてくれと思ってくれていると思うのですが、その中で背伸びをしても意味がないので、自分ができることを全力でやる。また、イニング途中で行くなら一塁が空いているな、とか、このバッターは打ち取ったほうがいいな、とか。次のバッター、さらに次のバッターも想定しながら冷静にマウンドに上がることも大事ですね。

――自分ができることを全力でやることでいい結果につながっていたのですね。

安樂 あとはやっぱり・・・

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