ジリジリと順位を上げ、単独首位に立ったのはシーズン107試合目のこと。突出した選手は皆無も、巧みな選手起用もあって投打がかみ合い、オリックスとの熾烈な優勝争いを展開した。最後は無念の幕切れも、経験をムダにはしない。

[2021年成績]※成績部分の()内数字はリーグ順位
67勝57敗19分　勝率.540
584得点(1)、570失点(5)、打率.239(5)、73失策(4)
126本塁打(3)、107盗塁(1)、防御率3. 67(5)

早期補強が奏功

　開幕5連敗と最悪のスタートも、早期借金返済で底力を見せた。ソフトバンクとの開幕戦(PayPayドーム)に敗れ、2、3戦目も救援陣がリードを守れず逆転負け。次カードの楽天戦も連敗を喫したが、4月に入れば打線が奮闘し、12安打16得点で4月1日に初勝利を挙げ、翌日も17安打で2試合連続2ケタ得点。一番・荻野貴司がコンスタントに安打を放ち、長打力抜群の助っ人・マーティンを二番に据えて、一気に好機を拡大すれば、三番・中村奨吾がかえす得点パターンを確立。開幕3連戦で2敗を喫した守護神・益田直也も復調するなど、前年(2020年)、リーグ2位躍進の原動力となった救援陣の状態が上向き、4月17日に借金を返済した。

　一方で・・・