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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第89回「野球解説で僕がピタリと当てた予想の話をしましょうか」

 

88年、日本ハムに入団し、92年大洋[横浜]に移籍した島田。中継ぎとして活躍した


子どもの正しい技術とは


 この間、古田(古田敦也。元ヤクルト)と谷繁(谷繁元信。元中日ほか)がやっているYouTubeを見ていて、なんか違うなと思ったんですよね。いや、僕なんて足元にも及ばぬ大捕手2人ですし、言っていることはすごいと思います。でもね、勘違いする子がいないかと心配になったんです。要は彼らの経験、技術、何より筋力があってできる技術を基本と言っていいのかなって。例えば、古田のゾーンの外からガッと内に入れながら止める捕球は、ボール気味の球をストライクにする、すごい技術だけど、決して基本じゃない。彼の腕力と技術があってできることです。子どもは力がないからボールに負けちゃうし、僕でもようやらん。

 最近は少年野球教室も減っていますが、昔からずっと僕だけじゃなく、仲間たちがみんな苦労したのは、子どもたちにどうやってその年代に合った技術を伝えるかでした。自分たちがやっている技術を伝えるのは、ある意味、簡単なんです。「俺はこうやっている。すごいだろ」とね。でも、いくら正しい技術であっても、体ができていない子どもには正しい技術じゃないときもある。

 僕はむしろ彼らが子どものころ、どんな苦労をして、その技術を身につけたのかを伝えてほしいんですけどね。古田や谷繁の言葉は、ものすごく影響力があるはずですから。

 ああ、また言っちゃったか……。たぶん、「また、あのじじいは」と言われてるんでしょうね(苦笑)。

 じゃあ、昔の横浜の話に戻りましょうか。この間はキャッチャーの相川(相川亮二)の話をしたから、今度はピッチャーかな。監督の三浦(三浦大輔)ですか? いや、まったく知らん。ああ、大魔神・佐々木(佐々木主浩)はありますよ。故障して半年くらい二軍にいたときです。あいつとキャッチボールしたとき、「フォーク投げていいですか」と聞かれ、首をぶるぶる振って、「俺、あんなフォーク、怖くてよう捕れん」と言ったことあります(笑)。だって、あいつのフォークは・・・

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