選手が芽を出すのを待っている

　今年の巨人は最下位だと私は見ている。オープン戦の成績が悪いからではない。最下位になるべき采配を振るっているからだ。この原稿を書いている時点でオープン戦も終盤だが、いまだオーダーも決まらない。

　私が監督のときは、キャンプの初日に選手をひと目見ただけで、こいつはクリーンアップ、こいつはその前後などと体つき、目つきを通して判断できたものだ。選手を育てるのが首脳陣の基本姿勢。ところが巨人は選手が芽を出すのを首脳陣が待っているような状態だ。逆である。自分が作ればいいのだ。それが、獲れる選手を獲れるだけ獲って、挙げ句の果てにオープン戦で下位を低迷している。最下位予想は当たり前だ。

　もう一つ、巨人は体作りを間違っている。ウエートアップが良いことだと思っている。大間違いだ。二重アゴで強い力士がいるだろうか。巨人の選手はキャンプで絞り上げていたら、もっと体は締まっているはず。四番の岡本和真は昨年クライマックスシリーズを欠場した。その原因を首脳陣は分かっていない。

　川上哲治さんは何だかんだと言っても・・・