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あの時代の記憶 恩師が贈る言葉

亀田晃広(獨協大監督)が贈る 並木秀尊(獨協大→ヤクルト)へのメッセージ 「普通の野球選手がプロで活躍できることを証明してほしい」

 

アマ時代の指導者が教え子の思い出を振り返る連載企画。今回は大学時代に通算24盗塁、成功率100パーセントを誇り、21年にドラフト5位でヤクルトに入団した並木秀尊だ。獨協大時代の恩師、亀田晃広監督に当時の話を聞いた。
取材・構成=小林篤 写真=BBM

ヤクルト・並木秀尊


 彼の足や守備範囲の広さであれば、代走や守備固めとして出番はあると思っていました。大学時代も打撃が売りの選手ではなかったので、ある程度予測していたとおりの成績でしたね。ただ、打撃も根本的にパワーがないわけではない。速い変化球、手元で曲がる変化球への対応力を磨いていけばバッティングでも活躍してくれると思います。

 またベンチ登録こそなりませんでしたが、日本シリーズはチームに帯同していたようです。日本一の雰囲気も味わうことができ、悔しさもありながら、良い経験ができた1年目だったのではないでしょうか。

 野球部に入部してきたときから足の速さは頭一つ抜けていました。しかし、バッティングが全然。ちょこちょことボールを当てにいく打ち方でした。そこで、1年秋ごろに「ホームランをかっとばせ!」と伝えました。そこからスイングも速くなり、一冬を越えて2年春からレギュラーをつかみました。

 続けてきたウエート・トレーニングも身になり始めたのが2年秋ごろ。「もしかしたらすごい選手になるのでは」と思いました。足の速さ以外の部分も成長してきたので、上のレベルでもやれるのではないか。ただ、当の本人はその能力に気付いていないようでした。そこでどうアプローチするかを考えたとき、優しくアプローチするのではなく、はっぱをかけていこうと。彼も言われて委縮するタイプではなく、奮起するタイプでしたので、心に火をつけようと決めました。また仲間の存在も大きく、先輩や同級生から叱咤(しった)激励を受け、より一層トレーニングにも真摯(しんし)に取り組むようにもなりました。みるみる成長し・・・

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