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ZOOM UP INTERVIEW チームを支えるベテラン力

楽天・炭谷銀仁朗インタビュー ずっと変わらない気持ち 「開幕戦も優勝決定戦も、消化ゲームの1試合も、どこの1試合だろうと一緒の気持ち」

 

パ・リーグで序盤戦の主役となった楽天の中で、縁の下の力持ちとなったのが、この17年目の捕手である。チーム内で生きのいい若手が次々と台頭する中、“いぶし銀”のプレーで良き刺激となっている。優勝の味を知る数少ない存在として、悲願達成を後押しする。
取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、BBM

5月22日現在、42試合中35試合でマスクをかぶるなど、正捕手の役割をきっちりとこなしている


引きずらないこと


 5月22日現在、パ・リーグ首位を走る楽天だが、シーズン序盤は新型コロナウイルスの影響で主力を欠くなど順風満帆とはいかなかった。その中でチームを支えた選手の一人が炭谷銀仁朗だ。昨季途中に巨人から金銭トレードで加入すると攻守で勝利に貢献。酸いも甘いもかみ分けてきたベテラン捕手は、チームのピンチにどう向き合っていたのだろうか。

――厳しい戦いが続く中、首位をキープしています。チームの雰囲気をどのように感じていますか。

炭谷 連勝のあとにちょっと連敗しましたが、そんなに落ち込むことなく、雰囲気はいいと思いますね。

――球団記録となった11連勝がストップした際、捕手として何か心掛けたことや意識したことはあったのでしょうか。

炭谷 キャッチャー目線というより、僕がプロで17年やってきて感じていることなのですが、連勝のあとの1敗って、ものすごく負け感が強いんですよね。『うーわ、負けた』という、負けがどっとくる感じがするというか。そこを引きずってしまうと、今回は4連敗で止まりましたが、もっと大型の連敗というのが続いてしまうこともあります。ある意味、4連敗で止まったのはよかったなと。またここから、大型連勝とはいかなくても1個ずつ勝ち星を積み重ねてく戦いができればなと思いますけどね。

――西武時代の2015年には大型連敗も……。

炭谷 13連敗を食らってますからね(苦笑)。地獄でしたよ(笑)。

――やはり連勝のあとの連敗を止めるのは難しいのですね。

炭谷 そうですね。難しいし……、もう連敗してしまいましたけど、今シーズン、連敗しない楽天と言われていたじゃないですか。連勝するよりも連敗しないことのほうが大事なのかなと。

――負けた次の試合では負けないことをより意識している。

炭谷 もちろんね、1試合ずつ区切っていったら1つずつ勝つというのが目標ですけども、長いシーズンそういうわけにもいかないですから。今回の4連敗のあと、監督が『15勝単位で考えたら11勝4敗で貯金7個作った』と言っていましたが、そういう気持ちが選手にも大事だと思います。

――そのことを知る炭谷選手がこの連敗中にしたことはあったのでしょうか。

炭谷 今回に関しては、何もしていないです。というのはね、僕の中で2パターンあると思っていて。空気を変えないといけないときは変えにいこうとするのですが、そんなに落ち込むこともなく、言い方は悪いですけどあまり気にしていない中での連敗のときには、逆にそういうことをやっちゃうとみんな意識して、悪くなるパターンもあるんですよね。これまでそういうことを感じたこともあったので、あえて“何もしない”ということもあります。

――では今回はいい意味で悲観的にとらえていなかった。

炭谷 僕は、そうですね。ただ・・・

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