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廣岡達朗連載「やれ」と言える信念

廣岡達朗コラム「終盤の勝負どころでベテランが出塁したら、なぜ“即代走”なのか」

 

人間は環境に恵まれると横着する


甲子園で坂本の代わりにショートで起用されていた中山


 交流戦前最後の阪神巨人戦をテレビで見た。新緑の季節の日差しを受けた甲子園の芝は、きれいに整備されていた。

 80年代後半から日本球界は人工芝を導入し、ドーム球場を次々に建設した。しかし、アメリカでは人工芝は使わなくなっていった。ボールのはね返りが強くて体全体に負担がかかるからだ。日本は専門家が理屈を述べて人工芝の問題は解消できるとした。要は、少々の雨なら試合を消化できるという金儲け第一主義だ。ドームにしても日本は6球団の本拠地が屋根付きだが、メジャーは現状開閉式はいくつかあるが、密閉式はタンパの1球場だけ。地理的な暑さ、寒さをしのぐためならドームの必要性もあるが、そうでないところはやはり天然芝の屋外球場がいい。

 いまの甲子園と比べれば、われわれの時代は外野の至る所で芝生が剥げていた。私はショートだったが、ランナーの走路にはボコボコと穴が開く。それを自分で直して打球に対する備えをしていたものだった。イレギュラーを捕ってこそ一人前。いまのようにきれいなグラウンドでどうしてエラーをするのか、私は不思議で仕方がない。指導者は「基本に忠実にしっかり捕れ」と教えるべきだ。

 人間というのは、環境に恵まれると横着をする生き物である。「横着」とは・・・

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