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ZOOM UP INTERVIEW ケガを乗り越えて――

ソフトバンク・周東佑京インタビュー 解放からの変化 「このまま終わっていくのが嫌だった」

 

「すごく苦しかった」と振り返る2021年は、右肩手術でシーズン半ばに幕を閉じた。体だけでなく“自分自身”と向き合ったリハビリ期間。心身ともにパワーアップして戻ってきた一軍の舞台で頼もしさの先に、まばゆいばかりの笑顔がはじける。
取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM


前向きに、やるしかない


 体も心も、たくましくなって戻ってきた。昨年9月に右肩を手術した周東佑京は、自身初めての経験に何を思い、何を考えていたのか。そこで得た気づきによって、これまでとは違った姿を見せている。

──見た目からもパワーアップが感じられますね。

周東 昨年の一番ヤバかったときで体重が66キロで、今年は一番重かったときで75キロでした。増えましたね。

──リハビリ中の成果。

周東 トレーニングと、あとはめちゃくちゃ飯食いました(笑)。手術後リハビリで先が長いのが目に見えていたので、もう1回体を見つめ直そうと。

──手術した右肩ですが、ケガの状態としては打撃面、走塁面に関してはそれほど支障がなかったということでした。シーズン途中のタイミングで手術に踏み切ることに迷いはなかったですか。

周東 なかったです。もう何回も痛めてというのを繰り返していた個所で、チームドクターもこのままやっていても厳しいと。次に痛めたら手術というのも、ずっと言われていた。自分としても、もう無理だなと思いましたね。それに、守れない状況でチームにいたって、使いづらいじゃないですか。それもあってのタイミングでしたね。

──昨季は開幕からなかなか調子が上がりませんでした。ある意味では、手術することで気持ちの面でも1度リセットできたのでは?

周東 気持ちが一番、自分にとっては大きかったかもしれないですね。楽っていうんじゃないですけど……昨年はすごく苦しかったので。言い方は悪いんですが、やっと解放されるなという感じでした。だから、リハビリ、一軍復帰までの道のりはすごく長かったんですけど、前向きに、やるしかなかったです。

──実戦復帰までは約8カ月かかりました。過去にこれほど大きなケガというのは経験はありましたか。

周東 ないです。僕、骨折もしたことなかったんですよ。昨年は骨折もしたじゃないですか(※6月に右手人さし指を骨折)。そのとき1カ月ぐらい離脱しましたが、それすらも初めてのことでした。

──長いリハビリにも前向きに取り組んできたとのことでしたが、周東選手の原動力となっていたものは何ですか。

周東 一番はこのまま終わっていくのが嫌だったんですよね。2020年は103試合に出場、盗塁王(50盗塁)も獲得して。ただ、昨季がダメで、ケガまでして、「なんかアイツ、1年だけだったな」と言われるのが嫌だなと。あとは、家族の存在も大きかったです。20年に結婚をして、昨年はケガして少したったときに子どもができたのが分かった。守るべき者が増えたことで、そのためにもというのがありました。

──6月3日に誕生した息子さん(第1子)ですね。お腹にいるときからパワーをくれていたと。

周東 そうです。守るべき者が増えたら・・・

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