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ZOOM UP INTERVIEW 先発左腕としての自覚

広島・床田寛樹インタビュー 冷静さを継続して「一歩、自分を引いて、見られるようになった」

 

気がつけば、チームの先発左腕で最年長になっていた。先輩たちからの学びを参考にして自分なりの方向性を確立。挑んだ2022年シーズンは、これまでとは違った好感触も得ている。これから訪れる暑さの厳しい夏は「苦手」と苦笑い。ただ、そこでまた進化した姿を見せようとしている。
取材・構成=菅原梨恵 写真=牛島寿人、BBM


自分なりに取り組んだ成果


 プロ6年目のシーズン、床田寛樹は例年とは違うパフォーマンスを見せている。6月終了時点で、キャリアハイに並ぶ7勝をマーク。チームの勝ち頭だ。ここまでを振り返る言葉や表情からも、充実の毎日を送っていることが伝わってくる。

――2022年シーズンも半分を消化しました。

床田 ここまでは勝ち星もついていますし、今のところ疲労もそれほどはないので、いいシーズンを送れているんじゃないのかなと思います。

――床田投手の中では、これまでと何が一番変わったと感じていますか。

床田 真っすぐの強さを、今のところはずっと維持できているんじゃないのかなと思います。平均のスピードも上がっていますし。

――確かに、昨季のストレートの平均球速144.4キロが、今季は145.7キロに上がっています。今季に向けてはどのような取り組みをしてきたのでしょうか。

床田 昨季のこの時期は二軍で、しかも投げる試合、投げる試合で打たれていたんです。何かを変えないといけないなと思っていたときに、亜(九里亜蓮)さんから連絡がありました。亜蓮さんとはオフシーズンに一緒にトレーニングさせてもらっていたんですけど、「もう一度、今から体を鍛え直してみてもいいんじゃないか」と。助言を受けて、トレーナーさんにも相談して、メニューを組んでもらいました。そこから、今まで前に飛ばされていたのが、ファウルになったりして。徐々にボールの質というところが変わっていったように感じましたね。

――昨季途中からの取り組みの成果が、今季にもつながっている、と。

床田 今季に迎えるにあたってはオフ、1人でやったんですよ。前の年に亜蓮さんとやらせてもらって、その前は大瀬良(大瀬良大地)さんとやらせてもらって。2人ともトレーニングの仕方が少し違う。2人の下でやったことを踏まえて、自分なりにあれがいいんじゃないか、これがいいんじゃないか、とやってみました。それが今のいい結果につながっているんじゃないのかなと思います。

――今季は長いイニングを投げて、試合もつくれています。この点に関しては、要因をどのようにとらえていますか。

床田 長いイニングを投げたいというのは、自分の中にずっとありました。目標としても「2ケタ勝利」と「規定投球回」を掲げて。ただ、2ケタ勝つのは自分だけではどうしようもなかったりするので、意識すべきは規定投球回。今のところフォアボールとかもちょこちょこありますけど、ストライク先行で簡単に打ち取れる回数が増えてきている。あとは、ピンチでしっかりと粘れているというのも、要因かなと思います。

――昨季までの経験が生きている部分もありますか。

床田 今までは得点圏のときに力ずくで押さえつけようみたいな感じで投げていたんですが、今年は一歩、自分を引いて、見られるようになった、というか。次のバッターで勝負してもいいんじゃないのかなとか、ここはフォアボールでもOKの場面だなとか、いろいろと冷静に周りを見渡せるようになったかなと思いますね。もちろん・・・

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