プロの世界で結果を残すために、自ら導き出す――。育成入団から昨季途中に支配下昇格を果たし、今季は開幕先発ローテ入りして前半戦だけで6勝。左腕が着実に成長を遂げた裏には、自らが考える強み、それを生かすための理論がある。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、榎本郁也 2本の柱と3本目の柱
前半戦を首位で折り返したソフトバンク。今季も故障者や新型コロナ感染などアクシデントに見舞われる中、“新戦力”は確かにチームを支えていた。その筆頭が大関友久だ。プロ入り3年目の左腕は、前半戦だけで6勝を挙げる活躍。完封も2度記録している。好結果とともに、左腕が目指す“形”が、しっかりと存在していた。 ──前半戦を振り返って、自己採点するとしたら、どのような評価になりますか。
大関 今季を迎えるにあたっては、まだプロで1勝もしていない状態だったので、何勝できるのか分からないという気持ちと、もし順調にいけるのであれば2ケタ10勝、もしかしたらそれ以上に勝つイメージが湧いていたりもしました。両方の思いがあった中で、今、シーズンの途中段階で考えるとハーフハーフ。出来過ぎているわけでもないですし、順調と言えば順調。でも、物足りなさを感じている部分もあります。なので、点数をつけるなら70点ぐらいですかね。
──今季は競争を勝ち抜いて開幕先発ローテーションからスタートしました。ただ、2試合目で4回2/3、5失点。その後、3試合は中継ぎに回ります。
大関 2試合目でノックアウトされたときに「このまま1年間やるのは限界がすぐ来るな」と思ったんですよね。自分でもどうしようかなと思ったタイミングで、中継ぎに回ることになりました。そのときに、いろいろと考えて、前からやってきたところを残しつつもアレンジしてみようという発想になったんです。
──1つターニングポイントだったわけですね。2試合目に打たれたとき、これから先発をやっていく上で何が一番課題だと感じたのでしょうか。
大関 自分の能力、ですね。今の能力だと厳しいなと。2試合目のときはベストを尽くしていた中でああいう結果だったので、これはもうやり方、細かいところをいくら変えても同じだと思いました。根本的に自分の能力をアップさせるというところに意識を向けました。
──先ほど話に出た「前からやってきたところを残しつつもアレンジ」とは、具体的にはどんな変化でしたか。
大関 昨年ぐらいから体の、特定の部位を意識して投げるようにしてきました。人間って一人ひとり体が違う中で、投げる上でポイント、意識すべき部位が人それぞれ、その人に合った場所があると思っていて・・・
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