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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第117回「小難しい話のあとは江夏の話にしましょうか」

 

68年の江夏。チラッと見えるキャッチャーがダンプさん


大事なのは最後の景色


 大洋のピッチャーだった小谷正勝の言葉で「一歩進むな、半歩遅れるな」というのがあるそうです。短い言葉って、いろいろな意味が推測できますよね。だから、小谷がどういう意味で使ったかは別にし、僕は育成の時期の子どもやリハビリの時期の教えなのかと思っています。できなくても焦るな、でも、半歩以上は遅れず、ついてきなさいって感じで。違っていたらすみません。

 今回は、そんなことを考えていたら小難しい話をしたくなりました。小難しいのは嫌? そう言わんでください。いくらダンプでも毎回、毎回、笑える話はそう思いつかないんで(苦笑)。

 野手には「エラー」というすごく嫌な言葉がありますよね。ただ、僕がキャッチャーをやっていて思っていたのは、注意して、いつものように落ち着いて正しくプレーをしていたら、そんなに守備のエラーって起きないということです。それ相応の技術がない人は別ですよ。プロのピッチャーの球を捕る技術がなかったら、いくら注意したって1試合、捕り切れるもんじゃないですからね。

 ある程度の技術を持った上でなら、エラーが起きるのは準備を怠ったときや注意が散漫になったときでしょう。これはもうキャッチャーのエラーじゃなく暴投だけど、真ん中に構えて待って150キロの球がワンバウンドで来たとします。普通、そうそう捕れませんけど、「もしかしたらワンバンが来るかも」と思って準備し、練習でもそういうブロックをやっていたら止めることはできるはずです。それが準備していたかどうかの大きな差になるわけです。

 もう少し複雑なプレーで言えば、例えば、捕手から一塁へのピックオフプレーを仕掛けていくとき、僕は最後の結果となる正しい景色(要は走者をアウトにしたシーン)が見えているかどうかが大切だと思っています。ピッチャーからの球が来たとき・・・

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