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熱戦FOCUS 混戦パ・リーグ特集 V争いに待ったをかけろ! 

<TEAM REPORT>オリックス・執念を見せる多彩な戦術でいざ、リーグ連覇へ!

 

昨季王者の貫録を示しつつある。継投あり完投あり、攻撃では長打に機動力を絡めて相手を揺さぶるなど多彩な戦術を披露。残り18試合。最後にして最大の山を乗り越え、リーグ連覇へ突き進む。
写真=川口洋邦 ※情報は9月4日現在

3連勝を飾った4日のロッテ戦[ZOZOマリン]。5回に2ランを放った四番・頓宮[写真左]を中川圭[右]が出迎える


「山だらけ」だからこそ


 確かなチーム力を示している。借金を返済、貯金1で後半戦に入ると8月2日からの西武3連戦(ベルーナ)で手痛い3連敗を喫するも、8月は12勝10敗1分け。連敗は先述の3連敗のみとコツコツと貯金を積み上げて上位を追走。8月30日の楽天戦(楽天生命パーク)は、9回二死から相手守護神・松井裕樹を打ち崩しての逆転勝ちでカード頭を取って2勝1敗で勝ち越すと、9月2日からのロッテ戦(ZOZOマリン)は3連勝を飾って、貯金は今季最多の8に。ついに西武、ソフトバンクとゲーム差なしまで迫った。

 多彩な戦い方が、大崩れしない一因だ。9月2日のロッテ戦は、打者一巡目まで三番・吉田正尚、四番・頓宮裕真を除く先発出場7人が、ファーストストライクまでバントの構えで、相手先発・佐々木朗希を揺さぶった。1対0での勝利は、遊ゴロ間の決勝点と直接関係はないものの「(策が)成功したかと言えば『?』だけど、策を打たないと。何とか打破していきたかった」と、水本勝己ヘッドコーチが明かした果敢に攻める姿勢は、投手起用でも。緩急自在の山崎福也を先発で投入し、6回からは最速157キロの本格派右腕・山崎颯一郎を投入。緩急をつけた継投で、唯一の1点を守り抜けば、翌日の同戦はエース・山本由伸が完投。決勝点を奪った攻撃は一死一、三塁からのダブルスチールだ。一転して4日は四番・頓宮の2ランでリードを広げて3連勝を飾ってみせた。

 多彩な戦術が光る中嶋聡監督だが、勝って兜(かぶと)の緒を締める。2日に新型コロナの離脱から復帰した指揮官は「相手がどこだろうと関係ない。一つひとつ戦っていって、いいところまで行きたい。今も山だし、先も山だし、山だらけだよ。谷はない。谷に落ちたら終わってまう」と、独特の言い回しでラストスパートを誓う。

 残り18試合――。西武とは残り1試合もソフトバンクとは5試合が残る。常に正念場の厳しい戦いは続くが、多彩な攻撃と、エース・山本を筆頭とした強力投手陣は大きな武器だ。チーム力を駆使して最後の最後に頂に立ってみせる。

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