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熱戦FOCUS 混戦パ・リーグ特集 V争いに待ったをかけろ!

<TEAM REPORT>楽天・勝負どころでの再加速へ先発投手陣が意地を見せるか

 

相性の良かった最下位・日本ハムにも屈して、4カード連続の負け越しとなった。これ以上、上位との差を広げられるわけにはいかない。ここから反撃に転じるためには、先発投手陣の奮起が欠かせない。
写真=井沢雄一郎 ※情報は9月4日現在

試合前練習に臨む投手陣。先発の田中将[中央]、クローザーの松井裕[左]を中心に総力戦となりそうだ


かみ合わぬ投打


 月別の投打成績を見ればチーム状況は一目瞭然だ。球団新記録となる11連勝をマークしたあたりまでは、決して打線が好調とまではいかなかった。それでも投手陣が奮闘して最少失点で乗り切り、僅差の試合をものにすることができていた。しかし5月以降は失点が得点を上回るようになり、防御率は悪化。6月から8月までの月間成績はすべて負け越しで、最大18あった貯金を食いつぶしていく。チームは首位どころか、安泰と思われていたAクラスの座さえ手放してしまった。

 投打がなかなかかみ合わないことが苦戦の要因となっている。特に7月のチーム打率は.285、107得点と好調だったが、チーム防御率は4.06と大幅に悪化。同月は8勝12敗1分けで、打線の援護があっても投手陣が崩れて失点を重ねるという悪い流れは、後半戦に入っても変わらなかった。

 救援陣はここまで粘りを見せてきたが、当然、疲労の色は濃い。登板数は西口直人の51を筆頭に、クローザー・松井裕樹が44試合。安樂智大も2位タイの44試合登板だが、防御率4.32と昨季までの安定感は見られない。酒居知史は負傷、ブセニッツは新型コロナで離脱するなどフル回転とはいかず。それにより蓄積疲労が広がっている。

 だからこそ、先発陣の意地が不可欠となる。田中将大岸孝之則本昂大といった柱はいずれも負け越しと本来の姿ではない。コンディション不良により2カ月近く、二軍調整が続いた早川隆久は戻ってきたものの、2試合連続で5回降板で敗戦投手となり、トンネルから抜け出せずにいる。開幕ローテ入りした瀧中瞭太は新型コロナの影響で離脱中。涌井秀章が復帰間近なのは数少ない光明だ。

 この先は西口や石橋良太のような、ロング救援要員も必要になってきそう。9月15日からは最後の山場、8連戦を控えている。そこまでに上位3強にどれだけ接近できるか。最後まであきらめずに戦い抜く。

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