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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第120回「秋のトンボを見ると、寂しくなるんですよ」

 

日本ハム・万波のホームラン。もっと警戒してほしかったとダンプさん


ファインプレーのあと


 もう9月になりましたが、最近は、まだまだ暑いですね。ダンプが阪神にいた50年以上前の昭和の時代は、8月半ばごろになると少しずつ朝晩が涼しくなって、ナイター練習のときにトンボが甲子園に入ってきました。シオカラトンボ、オニヤンマと少々大きな2種類のトンボが少し涼しくなった芝生の上をスイスイとね。

 このころになると、一軍でも二軍でも成績が悪く、ベテランになった人が「あ〜、トンボが来たか。クビが涼しくなってきたな」とよく大きな声で言っていました。全員じゃないけど、もう少しすると、その声が小さくなり、あまり言わんくなって消えていく人もいます。野球の世界で秋は優勝だ、タイトルだと景気のいい話が多いけど、そういう寂しいこともある季節です。でも、あのトンボ、昭和の終わりくらいになると、もう飛んでなかったな。理由は分かりませんが、周りに緑がなくなったりしたんですかね。

 僕の連載は、昔話のほうが喜ばれるらしいけど、最近、いろいろ試合を見ながら話したいことがたまっているんで、今回も最近のことからにさせてください。

 8月27日、日本ハムのヒゲでノッポの外国人投手(ポンセ)がソフトバンク戦(札幌ドーム)でノーヒットノーランを達成しましたよね。このとき、ちょっとあれって思った1球を見つけました。

 1対0とリードして迎えた2回表の守備で、日本ハムのセンター、万波(万波中正)が低いライナーをうまくキャッチしたんですよ。ファインプレーですね。これでヒゲの外国人投手も大喜びし、チームがわっと盛り上がった。それで2回裏、万波が先頭打者で打席に入り、カーブ2球で1-1のあと、甘くなった真っすぐをソロホームランです。試合は一気に日本ハムペースになりました。

 これって日本ハムファンにとってはうれしいシーンでしょうが・・・

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