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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第121回「ノーサインで受けた先輩2人の話をしましょう」

 

大洋時代の権藤


捕手を育てる投手


 ヤクルトのちっこい投手……じゃない石川(石川雅規)がいいピッチングをしていましたね(バンテリンでの9月21日の中日戦で6勝目)。球は速くないけど、バッターを見て最後の調整ができるピッチャーです。昔は江夏(江夏豊阪神)とか江川(江川卓巨人)とか、それができるピッチャーがたくさんいたけど、最近は滅多にいませんけどね。

 要はモーションに入り、最後の最後、ヒジから先で細工ができるんですよ。ピュッと強く振ったり、緩めたり。普通はそんなことしたら暴投でしょうが、石川は、それでスピードの調整やコースの修正をしながらも、だいたいは思いどおりのコースに投げられる。

 僕は石川と話したこともないし、どういう性格かは知りませんが、こういうピッチャーは経験の少ない若いキャッチャーを育てることができるはずです。サインどおりに投げながらも、打者の雰囲気を見て、ちょっと嫌だなと思ったら少しだけ外したり、緩急で打たれにくいようなプラスの要素を出せますからね。

 高津(高津臣吾)監督も分かっているんでしょう。高卒2年目の内山(内山壮真)と組ませることが多いようです。イニングの合間にベンチで石川と内山がじっくりディスカッションしてる姿もよく見ますけど、試合後とか翌日じゃなく、すぐなんで、すごくキャッチャーの心に響いて勉強になっているはずです。うらやましいな。僕らはそんな先輩投手もコーチもいなかったんで、みんな一人で考えてやってましたからね。

 これまでピッチャーを洗脳するという話やキャッチャーがピッチャーを操る話をしてきましたが、もちろん、それだけじゃない。江夏もそうですが、こっちが受けていて勉強になるピッチャーもたくさんいました。

 もっと言えば・・・

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