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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第132回「フォークがばれても平気な顔をしていた男がいた」

 

史上初めて12球団からの勝利を挙げた野村[大洋時代]


物足りないこと1と2


 ここ何年かで、プロ野球もいろいろ変わってきましたね。若い人の顔つきと同じく、スマートになってきたというのかな。審判への文句も乱闘もすっかり減りましたよね。大きかったのはリクエストとコリジョンルールでしょうか。

 コリジョンは、ホームで、でかい選手がラグビーのタックルみたいに突っ込んでくる、むちゃな体当たりがなくなったので、キャッチャーの中には、ありがたいと思っている人は多いでしょう。でも、正直、見ているほうとしては物足りなさがあります。もう導入されたルールですから、いまさら廃止しろとか張本(張本勲)さんみたいな過激なことは言いませんけどね。

 物足りなさ、その1は、いろいろなスライディングの技術を見られなくなったことです。僕らの阪神時代は、阪急時代、(へその前で捕球することから)「へそ伝」と言われた名外野手で、通訳もしていた日系人の山田伝さんが、いろいろなスライディングを指導してくれました。左右のフックスライディング、ヘッドスライディング、ローリング、あとはサイドから手を支点にターンするようなスライディングとか、いろいろ。僕は自分がするというより、相手のそういうスライディングをいかに止めるかが仕事でしたけどね。

 物足りなさ、その2は、ホームでのクロスプレーが、いつも似たように見えることです。ランナーは必ずと言っていいほど、ラインの外側をヘッドスライディングで滑っていき、キャッチャーは内側から、それを追いかけるように手を伸ばし、腰のあたりにタッチする。だいたいがセーフで、時々、リクエストという感じでしょうか。

 ケガの危険が減ったのはいいことですが・・・

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