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NPB史上初の「現役ドラフト」開催 収穫、課題相半ばも実施に意義

 

NPB史上初の「現役ドラフト」が12月9日に非公開のオンライン形式で開催された。13時にスタートし、17時にNPBから結果が発表。2巡目は実施されず、12選手が新天地に移籍することになった。

巨人へ移籍することになったオコエ。新天地で才能が開花するか[写真=高原由佳]


選手会の悲願だった試み


 メジャー・リーグの「ルール5ドラフト」を参考に「飼い殺し」を防ぐことや、才能が開花していない選手に出場機会を与えることで、球界の活性化につなげる新機軸、「現役ドラフト」。当初は「ブレークスルー・ドラフト」として2020年夏開催の予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。1巡目指名で終了するなど収穫と課題が相半ばしたものの、まずは選手会の悲願だった試みが実施されたことに意義を求めたい。

 あらためて現役ドラフトのシステムを振り返ると、各球団最低2選手を供出し、獲得希望が多かった選手を出した球団から指名権を得ることに。その後は基本的に供出選手を指名された球団が順次、指名権を手にする。これを繰り返し、各球団最低1選手の指名が義務づけられる。

 対象外としては[1]外国人選手[2]複数年契約中の選手[3]来季年俸5000万円以上の選手(ただし5000万円以上1億円未満の1選手は可能)[4]FA権取得選手[5]過去にFA権を行使した選手[6]育成選手[7]昨季終了後にトレード移籍した選手[8]今季終了後に育成から支配下になった選手。各球団には対象選手のリストを第三者に一切開示しない「秘密保持」が課された。

 最年少は松岡洸希投手(西武日本ハム)の22歳で、最年長は陽川尚将内野手(阪神→西武)の31歳だった。ポジション別では投手が6人、内野手が2人、外野手が4人だった。プロ入り時のドラフト順位としてはオコエ瑠偉外野手(楽天→巨人)が1位、戸根千明投手(巨人→広島)が2位、成田翔投手(ロッテヤクルト)、陽川、松岡の3選手が3位と上位指名ながら伸び悩むなどする選手が半数で、現役ドラフトの主旨に即した人選と言えた。

 来季年俸(金額は推定)では陽川の2200万円が最高。大竹耕太郎投手(ソフトバンク→阪神)が2000万円、戸根が1800万円で続き、最低は松岡の600万円だった。

 結果的に・・・

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