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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第135回「フィルダーがもし人工芝をたたいていたら退団しなかった?」

 

パワフルな打撃で活躍した阪神・フィルダー。このあとバットが……


ワニの肉は味がない?


 前回、僕の阪神コーチ1年目(1988年)にあった、東京ドームのこけら落としのオープン戦の話をしていて、思い出した外国人選手がいます。セシル・フィルダーです。え、その年の助っ人はバースのはず? 分かってます。そこまでボケちゃいません。フィルダーはバースが前の年限りで、いろいろあって退団し、代わりに入って来た選手です(89年)。こけら落としじゃなく、東京ドームの人工芝で思い出したんですよ。

 体がでかいのに柔らかいスイングをしていました。バースほど確実性はなかったけど、パワフルで、どでかいホームランをたくさん打っていましたね。1年でメジャーに帰って、確か向こうで2年連続ホームラン王になったんじゃなかったかな(※89年は阪神で打率.302、38本塁打。90、91年とデトロイト・タイガースで2年連続本塁打王&打点王。92年も打点王を獲得した)。

 僕は、あの年、二軍のコーチだったんで、ずっと見ていたわけではありませんが、この選手は東京ドームに行くと、いつもバットの太い部分を持って、グリップで人工芝をたたいていたそうです。跳ね返りを楽しんでいたんですかね。

 それで、あるとき巨人戦で三振したあと、悔しかったのか、東京ドームの打席の土の部分にバットをたたきつけたら、跳ね返って右手小指に当たって骨折しちゃったんですよ。そのままシーズン終了で、アメリカに帰ってしまいました。

 僕はひそかに、「あんなに跳ね返りを楽しんでいたんだから、土じゃなく、人工芝にたたきつけていたら、うまくバットをよけていたかもしれないな」と思いました。

 もちろん、そんなバカなことは誰にも言いませんよ。こっちが怒られるだけですから。でも・・・

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