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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第139回「『たけし軍団』との伝説の試合で先発したのは僕です」

 

野球好きで知られたビートたけし。左は長嶋茂雄


お約束連発も……


 今回のダンプが会ったプロ野球選手以外の有名人シリーズは、ビートたけしさんです。

 野球好きな方なので、何度も球場で会った、というか目撃したことはあるのですが、これは一番最初で、しかも対戦した話です。僕が阪神のコーチになっていた1991年の秋、ファン感謝デーでのことでした。

 YouTubeで見られるはずですが、このとき阪神は、ビートたけしさん率いる『たけし軍団』と軟式ボールでの試合をしました。チームには大の阪神ファンのダンカンさんもいて、甲子園で試合ができることにやたらと感激していたようです。

 試合が終わってから聞いたのですが、たけし軍団というのは、高校野球経験者も多かったらしく、実際、レベルも高かった。先発したたけしさんも経験者らしく、なかなかのピッチングをしていました。

 対して当時、阪神は5年連続Bクラスで、89年以外はすべて最下位。「12球団で一番弱い」と盛んにたたかれていた暗黒時代です。

 もちろん、主力が出たわけじゃなく、若手の控え選手中心のチームで、ピッチャーはすべてコーチ。当然ですが、あくまで遊びの試合ですよ。

 実は、この試合の先発が僕だったんです。当時49歳かな。現役時代はキャッチャーですし、体形は広島時代の江夏(江夏豊)みたいに、ちょっとお腹がぽっこりしていたので、みんな大したピッチングができるとは思ってなかったと思います。こちらも、どうせなら誤解されたままでとウォーミングアップも緩い球を投げてました。「肩が痛いな」と、たけしさんみたいな動きもしながらですね。

 それが初回の初球でピュッとちょっと力を入れたら・・・

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