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World Baseball Classic 2023

【WBC2023】いざ! 世界一奪還へ 気負わず、勝ち切る――。「世界一に向か って全員で戦ってきます」(栗山監督)

 

ついに夢舞台が開演の時を迎える。6年ぶりの開催となるワールド・ベースボール・クラシック。14年ぶりとなる世界の頂を目指し、史上最強の呼び声高い侍ジャパンは果たしてどんな戦いを見せてくれるのか。
写真=高原由佳

3月4日の中日との壮行試合の前にフリー打撃で快音を響かせた大谷翔平。バンテリンドームの屋根をかすめるように右翼席へ飛び込む放物線に、見守ったラーズ・ヌートバー山川穂高もあんぐりと口を開けた


「これだけの選手たちは自分が一番やらなければならないことを分かっている。全員が自分自身のやらなければならないことをやって、本番に向かっていきたい」

 アクシデントはあった。壮行試合や強化試合で課題も散見された。それでも栗山英樹監督の言葉からは、選手たちに対する厚い信頼はまったく揺らいでいない、それどころかさらに強固になっていることが伝わってきた。

栗山監督[右]は本番でどんなタクトを振るい、侍たちを勝利へ導いていくか


 鈴木誠也の離脱は想定外だっただろう。ただでさえ層を不安視されていた外野陣、右翼というポジションを考えるとチームでもっとも代えのきかない選手の1人。代役に指名された牧原大成のユーティリティー性、球際の強さを含めた圧倒的なディフェンス力に疑いの余地はないものの、チームに暗雲が漂ったことは確かだ。

 ただ、そのムードを断ち切り、一転させたのはやはりこの男だった。大谷翔平がチームに合流し、中日との壮行試合が行われたバンテリンドームに姿を現すと、満員のスタンドが揺れた。フリー打撃で推定160メートル弾を右翼5階席に打ち込むと、見守ったチームメートたちもあんぐりと口を開けた。

ヌートバー[左]の存在は侍打線にどんな化学反応をもたらすか


 宮崎合宿から参戦していたダルビッシュ有が口にしていた「少し気負い過ぎ。気負う必要はない」というムードは、ワールド・ベースボール・クラシックの開幕を目前にして着実に高まっている。ラーズ・ヌートバーがその明るいキャラクターもあってチームにすんなりと溶け込んだのも、その醸成されたムードによるところも大きいだろう。

ダルビッシュ[左]と大谷[右]、2人の最強右腕が侍投手陣をけん引する


 一方で指揮官が言う「勝つ」「勝ち切る」という思いは、選手たちを含めた全員が共有している唯一無二のもの。気負わず、勝ち切る。再び世界の頂点へ――。「世界一に向かって全員で戦ってきます」という指揮官の言葉を胸に刻み、侍戦士が2009年の第2回大会以来14年ぶりとなる世界の覇権を奪いにいく。

大谷の合流により侍のムードはさらに高まった状態でWBCに突入していく



【2023WBC/侍ジャパンの日程】
1次ラウンド/東京ドーム
3月 9日 19:00 vs 中国
3月10日 19:00 vs 韓国
3月11日 19:00 vs チェコ
3月12日 19:00 vs オーストラリア
球数制限/65球

準々決勝ラウンド/東京ドーム
3月16日 19:00 vs プールA1位or2位
球数制限/80球

決勝ラウンド/ローンデポ・パーク(アメリカ)
3月20日 19:00 準決勝(日本時間3月21日8:00)
3月21日 19:00 決勝(日本時間3月22日8:00)
球数制限/95球
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