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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第145回「毎日毎日の山本昌の積み重ねにびっくりしました」

 

50歳までプレーした山本昌


サヨナラ打を予感?


 いやあ、強いですね、WBCの日本代表は。準決勝(3月21日)のメキシコ相手のサヨナラ勝ちは、びっくりしました。ただね、最後、サヨナラヒットの村上宗隆(ヤクルト)は打つんじゃないかなという予感があったんですよ。

 あと付け? いやいや、相変わらず失礼な人ですね(苦笑)。打つ前に電話すればよかったな。仕事を邪魔しちゃ悪いと思って遠慮したのにね。そう思った理由の一つは、単純に2009年のイチロー(元マリナーズほか)を思い出したからです。あのとき、それまでさっぱり打てんかったイチローが、韓国との決勝で決勝打を打ったでしょ。村上にもそんな雰囲気を感じたんです。

 でも、雰囲気だけじゃ、ファンの皆さんと同じかな。視聴率もよかったみたいだし、村上があそこで打つかもと思われた人は、世の中の半分くらいいたかもしれないですしね。

 では、元キャッチャーの視点から言えば、それまでの村上は打てなかったこともあって、コンパクトに振る意識が強過ぎ、バットの出が硬かったんですよ。だから自分では早めに反応したつもりでも振り遅れて、差し込まれていた。調子が悪いバッターが陥りやすいことです。

 でも、あの打席は初球のファウルを見たら、少しだけど引いて、そこが柔らかかった。緊張というなら、これ以上ないシーンでしたが、開き直りがあったんですかね。あれを見て、僕は「この打席、打つかもしれんな」と思いました。

 あの試合は、大谷翔平(エンゼルス)のインタビューもよかったですよね。「キャッチャー3人とも出てもらって」という言葉があったじゃないですか。あれはキャッチャーOBのじいさんの胸をキュンとさせました。二番手以降のキャッチャーって・・・

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