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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

連載ダンプ辻コラム 第150回「急がば回れ! 速く投げたいときは急がないことです」

 

セカンド守備の名手・千葉茂


無駄な力は入れない


 この間、YouTubeを見ていたら、元オリックス星野伸之が出ていました。後ろがすごく小さい、ちょっと変わった投げ方をする左投手で、球は大して速くないのですが、緩くて鋭いタテのカーブもあって、三振をたくさん取っていたというイメージがあります。

 星野が言っていた言葉で「自分の力以上で投げようとするとケガをする」というのがあり、僕の中でビビビッときました。前後の話はよく覚えてませんが、実際にケガするかどうかではなく、自分の持っているもの以上に速い球を投げようとしたり、コースに投げようとすると打たれることが多い、という話だった気がします。

 深い言葉ですよね。野球において無駄な力を入れるというのは、すべてマイナスになると思っています。バッティングも力を入れまくって振るという時代ではない。大谷翔平(エンゼルス)みたいな選手は、体が大きいので、ゆったり振ってるようでもスイングスピードは速いのかもしれませんが、フォームだけ見ているとインパクトのあとはゆったりしている。昔のバッティングみたいにリストを利かせてガッとヘッドを走らせるというより、ボールの下にバットを入れ、ボールを下から上に上げるイメージで、ゆっくり押し込んでいくようにも見えます。

 速く投げたいときほど力を入れないというのはキャッチャーのスローイングもそうです。速い球を投げようと腕の力を入れても大したことにはならず、ボールがシュート回転したりよくないことのほうが多くなります。それより、しっかりとした準備です。捕ってから急いで投げるのではなく、捕る前からヒザはスローイングに入れるように準備し、そこからも正しい技術を正確に行うことです。もちろん、頭の中で考えているだけでうまくいくわけではありませんが、やみくもに繰り返すだけでもダメです。正しい技術をイメージしたうえで、練習で繰り返してください。無駄な動きが省かれ・・・

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