福岡ソフトバンクホークスの子会社として2019年に設立した『AcroBats 株式会社』をご存じだろうか。アスリートのセカンドキャリアサポートを行っている同社。今春、同社の代表取締役社長に就任した江尻慎太郎氏は、引退選手が持つ無限の可能性に着目し、たくさんの人々との結びつきによって築かれる新しい“世界”を創造する。 取材・構成=菅原梨恵 江尻慎太郎氏
現役引退とともに、第2の人生が始まる。「プロ野球選手」という肩書には「元」が付き、今後については自らで選択していくことが多くなる。そんなセカンドキャリアに関しては、早くも現役中から不安を抱く選手も少なくない。そのため、球団としてもさまざまな形で向き合っているが、福岡ソフトバンクホークスが行ったのは新会社の設立だ。
2019年8月1日に誕生した『AcroBats(アクロバッツ)株式会社』は、アスリートマネジメントやセカンドキャリアサポート事業などを軸としている。同社は今年4月1日付けで、設立時から代表取締役社長を務めてきた安積研二氏が取締役会長に。代表取締役社長には、プロジェクトリーダーとして立ち上げから同社事業に携わってきた江尻慎太郎氏が就任した。新リーダーはセカンドキャリアに関して、どのような思いを抱いているのか。そして、新リーダーの下、AcroBatsが見据える未来とは――。今回、熱い思いに直撃してきた。 ――セカンドキャリアをサポートするにあたって、なぜ会社として設立に至ったのでしょうか。
江尻 新会社設立プロジェクトが発足して、私もプロジェクトリーダーとして参画していました。その中でもちろんホークスの組織としてやっていこうという声もあったんです。ただ広く、プロ野球の12球団はもちろん、いろいろな競技の元アスリート選手、選手に限らずにもっと多くの方々との接点を持ってやっていく上では、独立して活動していくのがいいのではないかという結論に至りました。マネジメント会社なのでキャスティングも行うのですが、ホークス公式戦の中継にあたっては、解説者の方々だけでなく、今年からは実況アナウンサーやリポーター等のキャスティングも行っています。
また、アスリートに限った話をすれば、野球も含めてスポーツというのは瞬発的なエネルギーはある。今春はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で盛り上がりましたが、その前にはサッカーW杯(ワールドカップ)で盛り上がっていましたよね。彼らがしてきた経験というのは・・・
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