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ポストシーズン進出を目指すエンゼルス 厳しい戦いを選択 大谷翔平はプレーオフへ行けるか!?

 

大谷翔平がエンゼルスに移籍して6年。トレードのウワサがある中、チームはポストシーズン進出を目指すことを決めた。大谷を残し、実績のある選手を7人も獲得。その成果は……今のところまったくなく現地時間8月6日現在、6連敗。プレーオフ進出は赤信号へ。ここから盛り返さないと、エンゼルスには厳しい冬の時代が待っている。
文=奥田秀樹 写真=Getty Images

大谷[右]とともにプレーオフ進出を目指すことにしたエンゼルス。果たして、勝ち抜いて10月を迎えることはできるだろうか


ビジネスと割り切らず


 トレードデッドラインを巡る大谷翔平に対する今回の騒ぎで、思い起こしたのは2000年、佐々木主浩が在籍したマリナーズでのことだった。1994年に18歳でデビューしたアレックス・ロドリゲス(A-ロッド)は25歳で、そのオフにFAの資格を得る。すでに4度オールスターに選ばれ、MVP投票で2位にもなった。だがその年の7月、今回の大谷のようなトレードするか否かの大騒ぎにはならなかった。

 マリナーズはランディ・ジョンソンとケン・グリフィー・ジュニアこそトレードしてしまったが、A-ロッドは引き留めるつもりだったからだ。しかしそのオフ、レンジャーズと10年総額2億5200万ドルという歴史的な契約を結び、チームを去った。翌年、敵となって戻ってきたA-ロッドにシアトルのファンは怒りのブーイング、スタンドにおもちゃの米ドル札が撒(ま)かれ、風に舞った。あれから23年……そういう醜い騒ぎにならないよう、大物選手であればFAになる前に契約延長の話し合いをし、合意できなければ、デッドラインを前にトレードしてしまうという商慣行がMLBではより普通になった。ビジネスとして割り切ろうと。だから1年前のナショナルズはフアン・ソト外野手をFAまで2年半なのにパドレスに放出、2対6のトレードで4人の若手有望株と交換し、ナショナルズのファンも納得した。しかし今回はそうはいかない。エンゼルスのオーナーがアート・モレノで、スターが大好きな彼の一存ですべてが決まるからだ。7月中旬、エンゼルスは他球団に「大谷を出す気はないが、オーナーの気が変わった場合に備えトレード提案を聞く」と伝えている。

 モレノがトレードしないのは・・・

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